ポジション1
向かい合うよう長椅子に座り、改めて自己紹介することに。
「じゃあ、俺から。
俺はリク。リベスとはリア友。俺が接近でアイツが支援。この戦い方、ここ最近定着したから慣れはてないんだけど。
続けて。
「
「いやいや、あんだろ。戦い方とかポジションとか」
硬派な彼に突っ込みを入れるも黙り。見かねたケイが「いけ好かない」と口にすると「煩いゴリラ」と聞きなれない言葉に恐ろしく白ける。
「誰がゴリラだ!! さっきと態度どう見ても違いすぎてるだろ!!」
苛つきのあまり勢いよく立ち上がるが、いたって冷静なリベス。
「脳筋」
「はあぁ!!」
先輩の突っ掛かり方に違和感を持った俺はリクに目を向けると合い、微かに頷かれる。
――えっ、わざと見せた――
俺が目を丸くすると立ち上がり仲裁に入る。
「あーはいはい。ゴメンゴメン。リベス
パンパンッ――と手を叩くと張り詰めた一気に空気が消え、リクのお陰か少しだけ和んだ。
「さて、次誰だっけ?」
ボーッとしていると三人の視線を感じ、慌ててスッと立ち上がる。「わ」と言葉を発すると声が裏返り恥ずかしくなり、サッと素早く顔を隠す。
「焦らなくて良いからな」
「は、はい……すみません。
私、ユナって言います。ケイは彼氏じゃなくて
ポジションはアタッカーと少しだけ
不馴れながら深々と丁寧にお辞儀。
続けて――。
「俺はケイ。
さっきユナが話した通りだから其処は省く。本来なら強くなって迎えに行こうと思ってたが、まさかこうなるとは……。
二人の紹介にリクは笑顔で拍手。リベスは聞いて入るも反応はなく、顔を背けるだけ。冷たく無愛想な態度にケイは彼を睨み合い、バチバチと火花を飛ばす二人。
しかし、そんな二人を嬉しそうに見つめるリクが気になって仕方がなかった。
パンッ――
また、リクが手を叩く。
「はいはい、にらめっこはそれぐらいにして……。リベス、一人で再戦したんだろ。報告してやれよ、ほら」と渇を入れるよう思いっきり彼の背を叩く。
「……確実とは言えない」
「だとしても良いから言えって。あの戦闘でお前が帰ってきてんのバレてんだから、事が起きる前にやっとけ」
二人にしか分からない内容。リクがリベスに圧をかけてるのが見て分かる。
「分かった。言えば良いんだろ」
負けたか渋々口を開く。
「
「ん? どういう意味だ」
リベスの言葉にケイが食い付く。
「俺が倒してから真似事でバフパーティーで挑む奴等が増えてるが報告無し。俺のやり方を学習し、一度殺った手は封じてる。早朝、試してみたが攻撃が一切効かなかった」
「えっ……そんなことあるんですか。今まで倒しても何もなかったのに」
「【七つの大罪】だから簡単に倒されたくないんだろ。『ああすれば絶対勝てる』っていう心理を砕くのが狙いだろうな。まぁ
俺の次に誰かが倒してリセットされるなら話は別だが」
俺とケイの様子を伺いながら続けて。
「俺が機嫌が悪いのはアンタらのせいじゃない。無力な自分に腹が立って苛々してるだけだ。
あの時みたいに……ボロ雑巾にされたのが糞が付くほどムカついてな。
「やめろ、その言い方」
軽くケイを弄るも悪気があるわけではなく、この時だけはカッとならず注意するだけ。不思議そうに首を傾げると「なんだよ、ゴミでもついてるか」と突然話をふられ、「何でもないよ」と左右に首を振った。
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