第8話・コペンハーゲン解釈って
8・コペンハーゲン解釈って
ここまで書いたからには、知っておいてもらおうと思う。
これを読んだら、半分のひとは「ばかばかしい・・・」と、この読みものを見限るかもしれない。
あのアインシュタインさんでさえも、「ふざけんな!」とあきれ果てた件だ。
前の回で、「二部屋に仕切られた箱の中で、一個の量子は(ひとに観測されるまでは)両方の部屋に同時に存在する」と書いた。
これをシュレディンガーさんは、うまい仮想実験で説明してる。※1
二部屋に仕切られた箱の片側にネコを入れておき、一個の量子をスイッチとして、一方の部屋に毒ガスが充満する装置をつくるのだ。
量子が、ネコのいる側に存在すれば、スイッチが入ってネコは死んでいることになる。
反対側なら、ネコはセーフだ。
さて、結果だ。
装置のついた箱をあなたは開けて、ネコの生存・死亡を確認する。
果たして量子は、ネコのいる側でない方の部屋で観測され、ネコはセーフであった。
が、あなたが箱を開けるまでの内部の状況には、極めてシリアスな状況がある。
なぜなら、量子はあなたに見られて観測収縮を起こすまでは、両方の部屋に同時に存在してたのだから。
すなわち、あなたが箱を開ける前、ネコは「死んでた!」のだ。
そしてさらに奇妙なことに、量子がどちらの部屋にも同時に存在してたことから、ネコは「死にながら」「同時に生きてた!」のだ。
あなたによって観測されるまでは!
これこそが、波動関数における確率50・50の意味だ。
こうしてネコの生き死に・・・すなわち観測結果が定まる際に世界は分岐し、パラレルワールドへと向かう着想に結びつくんである。
コペンハーゲン派と呼ばれる物理学者集団(当時の世界における最高頭脳の約半数と言える)が「真実」と認めるこの現象を、信じるか信じないかは、あなた次第です。
つづく
※1 実際のものは放射性崩壊などの情報が含まれてややこしいので、ここでの説明では、わかりやすくアレンジを加えてある。
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