　これからmetube で活動するにあたっての準備が色々とある。

一応配信用のアカウント作成や連携などをしておいた。

残りは自己紹介文だ。

これを見て、来てくれる人もいると思うので、しっかり考えなければならない。

しっかり考えた結果、次のようになった。

「俺は天白アオイ。麻雀をメインで配信しているぜ！　20:00からライブしていることが、多いぞ。ライブでは気軽にコメントしてくれ！　コメントで言ってくれたら、友人戦もするぜ！　よろしくな！　ちなみに、役満卓なるものがあるんだが、気になったら動画もぜひ見てくれ！　配信で待ってるぜ！」

こんな感じだ。

結局普通になってしまった。

インパクトのある紹介文にしようと思っていたのだが、意外と難しい。

まあ、一旦はこれで良しとしよう。

　書き終わる頃には、19:00になっていた。

夕食を取らずに作業していたので、かなり腹が減っていた。

いつもは自分で何か簡単なものを作ったりするのだが、今日はそんな気になれず、宅配サービスを利用することにした。

ガッツリ食べたい気分なので牛丼を頼んだ。

そして、無事に届き、プライベート用のアカウントで、metube を見ながら牛丼を食べる。

見ているのはworld craft 略してワルクラというもので、立方体のブロックでできた世界で、色々するするといったゲームだ。

建物を作ったり、PVPをしたりと楽しみ方は人それぞれだ。

今俺が見ている配信者はmetube ができるより前に、他の動画配信サイトで活動していた、いわゆるベテラン実況者だ。

まあ、あんまりベテラン感が感じられないが、それもそれで、彼の魅力だ。

その証拠に、コメ欄が賑わっている。

リスナーがコメ欄で書いたものに実況者が反応して、そしてまたリスナーが書き込む。

時には辛辣なコメントもあるが、それもネタとして実況者が昇華させる。

ネタコメにはツッコミを入れ、ボケたらコメントでツッコミが入る。

面白いことが起きたら実況者は笑い、リスナーは草を生やす。

そんな一つの空間に俺は憧れる。

自分もそんな空間の中心に存在したいなって。

そしてその空間をいろんな人と共有したいなって。

　現在、20:00、配信開始の時間だ。

そんな思いを胸に俺は動画を閉じ、アカウントを切り替え、配信開始のボタンにカーソルを合わせる。

俺は天白アオイ、今この瞬間から天白アオイとしての物語が始まる。

[登録者数　0人→0人]

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい