2話

じゃ、気を取り直して、文豪豆知識コーナーの続きやで。

「そんなコーナーを認めた覚えはない」

 まあまあ、すぐに終わらせるから。豆知識その一~。「城の崎にて」の志賀直哉は熊を飼っていた~。

「ク、クマァッ⁉ どうやってだよ!」

 まあ、昔は色々と規制が緩かったからなあ。

「いやいや、規制とかじゃなくて。マジでクマ?」

 マジやマジで熊。そやけど、熊については、わいら語ることないしなあ。わいらじゃない方の専門やし。

「おい『わいらじゃない方』って何だよ」

 それじゃ、そろそろ無駄話も裏話も、この辺にして。重大なお知らせが……。

「嫌な予感しかねえ。てか、文豪豆知識がその一だけで終わっちゃった」

 で、この先二つ程、けっこう大きなエピソードがあるねんけど、その語り部は、どっちとも秀やないで。ぶっちゃけると、語り部降ろされたっちゅうことや。

「そんな話は聞きたくなかった!」

 まあまあ、秀が語り部のエピソードもあるから。それに本編の語り部は秀の予定やから。あくまで予定やけど。

「ねえ、おれの何がいけなかったの⁉」

 う~ん、そやねぇ……、すぐギャグに走るからシリアスパートが続かないとことか、雑談が多いとことかやね。

「弱点を、はっきりと指摘された!」

 あ、そういえば、何で美和子の誕生日の話、あんな中途半端なとこで終わったん? 美和子を祝うっちゅう肝心なとこがカットされてるやん。

「ああ、あれは……、何となく、あそこで終わるのが良いかなって思っただけだよ。決して、雑談し過ぎて尺が足りなくなったとかじゃあないんだぜ?」

 声、裏返っとるで。やっぱ秀がダメなんはこういうとこな気がするなぁ。……それに、今までの話、美和子の出番が少な過ぎやろ。これじゃあ「白鳥さんの不愉快な日常」になってまうで。

「確かに、言われてみればそうだな」

 じゃっ、次からは美和子がバンバン出て来るから、楽しみにしといてな~。ほな、この辺で~。

「えっ、終わるの⁉ 唐突過ぎるだろ。ていうか、お前の締め方も大概にしろよ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る