第14話 突然現れた逸材【親方視点】

 俺の名前はウォルフラム・ハレイン。

 鍛治屋の親方をやっている。

 強面で老けて見えるが、こう見えてもまだ30代だ。


 最近、依頼の数が爆発的に増えた。

 神殿の信託によるとこの街に異邦人が飛ばされてきているからだそうだ。

 彼らは何故か冒険者になりたがる者が多く、ここ数年で作ることも少なくなった武具の類を大量に作らなければいけなくなった。

 しかし、普段からある鍋や包丁などの仕事も欠かすことは出来ん。

 この街の流通が滞ったり飯を食えなくなる奴も出てくるからな。

 そうなってくると、街全体で鍛冶師だけでなく生産職での人手が足りなかった。


 異邦人の中にはそういった仕事をやろうとする奴もいたが、半数は去っていった。

 鍛冶師は特に顕著で4分の3も残っていればいい方だったろう。

 彼らに言わせると「この作業はムズすぎる!生産メインでやるつもりだったのにこんなんクソゲーだろ!」との事だ。

 クソゲーが何かは分からないがまあ最初に言っていたことは分かる。

 素人がやるにはこれは厳しい。


 鍛冶師で言うなら綺麗にインゴットを作るところから始め真っ直ぐ振り下ろす基礎訓練。

 その後、それぞれの道具や武具に対応したちゃんとした作り方を学び、ようやくスタートラインに立てるわけだ。

 始めたてのペーペーにはどだい無理なこった。


 ここでうちの工房に救世主が現れた。

 ヤオというちっちゃい嬢ちゃんだ(彼女に言わせると子供では無いそうだが)

 ヤオは初め、この工房に依頼をしに来ていたが俺は追い返そうかと考えた。

 だが、その考えはすぐに消し飛んだ。

 背中のマントがここらでは見かけない上物だったからだ。

 マント以外はボロボロではあるが、きっと将来いい取引相手になると俺の勘が告げていた。


 忙しいのも事実だったから仕事をやらせる代わりに装備を作る約束を取り付けた。

 インゴットを生産してくれるだけでもありがたかったが、彼女は予想を軽々と飛び越えていった。

 とても素人とは思えないほど綺麗に槌を振るうから、無理だろうとは思いつつサブマイスターのダイナを付けて仕事を1つやらせてみた。

 ダイナは作り方の基礎を教えるのを完全に忘れていたのにも関わらず(後でとっちめてやる)一発でフライパンを完成させやがった。

 しかも、本来かかるであろう時間の半分以下の時間でだ。

 質も極端に低いわけでもないからそのまま日用品を任せると1日で終わらせてきやがった。

 俺よりも速いんじゃないのか。


 こうして俺の一日分の仕事があっさりと無くなったからヤオに装備を作ってやった。

 もちろん最高傑作だぜ。


 出来ることならこのままうちに留まって欲しかったが、あちこち見てきたいからと断られた。

 まあ、ダメ元だったから別にいい。

 あいつの本業は冒険者だしな。


 また来てくれることを楽しみに待つとしようか。



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お読みいただきありがとうございます!


他の方の小説を読んで思ったのですが、この作品は書きたいことはあるのに詳しい描写が書けず駄文になってしまっている箇所が多々あると思います。

なので、他の方の作品を参考にして書き方に少しテコ入れをしようかと思ったのですがいかがてしょうか。

その場合書き方を変えるので現在より更新ペースは落ちてしまうかと思います。

応援コメントで思ったことなどをなんでもいいので教えていただけるとありがたいです。

より面白い作品を作るためどうかご協力よろしくお願いします!

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