2人の王子様に溺愛される件。

陽菜花

プロローグ

はぁ……やっと終わった。



ふうっと息をつき、靴を履き替える。

1週間分の疲れが溜まってるのか、すごく体が重い。

今日の学校は終わり。

……明日は金曜日だ!

休日は何しようかな。

課題はもちろんだけど、久しぶりにのんびりしたいかも。


「絵奈ー!」

「絵奈〜!」



聞き覚えのある声にハッとする。

校門の方を見ると、2人の男の子がいた。

1人は小柄で可愛らしい見た目だけど、顔立ちはクールで目が少し鋭い。

もう1人は背が高くてすらっとしていて、優しそうにニコニコしてる。



ひろ武尊たける!」



私は2人の方に駆け寄る。

なんだかすごく嬉しくて気分が一気に上がる。

私が2人の間に入ると、2人はゆっくり歩き出した。


「待っててくれたの?」


「当たり前やん。な、紘夢」


武尊が歩きながら当然のように言う。


「……うん」


紘夢はそっぽむいて頷く。

はぁぁ、2人とも可愛い、、、

すると、紘夢が私をキッと睨む。


「何笑ってんの」


「だって、待ってくれたのが嬉しかったもん」


「……言ったのは武尊だからね?」


「何でや、紘夢も言うてたやん」


お、武尊のツッコミ!

なんかリズムというかテンポが良い。


「よ、余計なことは言わないで!」


紘夢の顔が赤くなる。

思わず、ふふっと笑ってしまう。


「わ、笑うな!」


「何でー?可愛いのに」


武尊もうんうんと頷く。


「やめて。可愛くないから」


「可愛いなー紘夢ー!」


武尊が紘夢の横に立ち、頭を撫でる。


「や、やめろって!!」


恥ずかしいのか、ジタバタ抵抗する紘夢。

そういうところも可愛いんだよねー。

そんな微笑ましい2人を見ていると、2人が私を見た。


「なに、じろじろ見てんの」


紘夢がじとっとした目で私を見る。


「ううん。2人が微笑ましいなって思ってて」


すると、武尊が少し呆れたように笑い、私の頭をポンポンと撫でる。

やっぱり、武尊って背高いな〜。


「何でやねん、絵奈も入れなやろ」


「ほんとにね」


「……えっ、私、も?」


「当たり前やん」

「当たり前でしょ」


……嬉しいな。

やばい、涙出そう。


「うん、ありがとう!」


私が笑って言うと、2人は嬉しそうに微笑んでくれた。

2人といるとすごく楽しい。



こんな、楽しい日々が毎日続いたら良いのにな……

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