勘違いで婚約破棄の追放・・・?~気にせず研究しますね!~
@shion318
第1話 勘違いで追放?
「アリアナ・ローレンス!!お前との婚約を破棄する!!!」
「は・・・・?」
卒業式を兼ねたパーティの中でそう王太子が宣言したのに驚きの声が漏れる。
いや、それよりも・・・王太子達以外も驚きの顔一色に染まる。
それは、そうだろうね・・・。
だって、その言ってる相手って・・・。
「公爵家の権力を使い私の運命たる、リリーラを陰険に虐めるとは到底許されない事っ!
・・・聞いてるのか、アリアナ!?」
まったくもって違いますが~~~~~!!!!
叫びたい、そう叫びたいが・・・貴族マナーとしてアウト。
婚約者の顔も知らないのかこいつって顔になってる周りに気づくべきでは?
いや、本当にっ!!
私!子爵令嬢!!!!
下位貴族なので上位貴族に対して許可なく発言出来ないんですが??
王太子とその周りの側近達よ・・・。
「公爵令嬢だからってお高くとまって・・・。」
「高位貴族でも品位がなさ過ぎるよ。」
「あぁ、それとも言い返せないから黙ってるのか?」
色々と、言って来てるところ悪いんですが、周りのあり得ないって顔見て・・・本気で・・・。
いや、本気でこの方ってご自身の婚約者の顔知らないの?
嘘でしょ?10年以上婚約期間あって顔知らないとか相当ヤバいよね?
いや、側近達も公爵令嬢の顔知らないとか大丈夫?
同じ公爵の立場の人間いるけど・・・本気で大丈夫?
つらつらと怒鳴りつけてくる王太子と文句を言ってる側近達そっちのけでそんな事を考え続ける。
いや、だってなんで自分?
意味が分からない。
貴族令嬢どころか女性は髪が長いのが普通だけどセミロングと言う肩ぐらいの長さだよ?
公爵令嬢のアリアナ様は膝下まであるロングヘアー・・・うん、髪の色が同じ金でも手入れの違いで艶やかさも違うから間違えないよね!?
「なんとか言ったらどうだ!?」
その言葉に溜息をつきそうなるのをこらえて口を開く。
ところでさっきから慌ててる王太子が連れてる令嬢って誰なんでしょうか?
噂の希少な治癒魔法の使える子爵令嬢でしょうか?
「王太子殿下・・・失礼ですが、目は大丈夫ですか?」
「不敬だぞっ!!!!!!」
「いえ、そうとしか思えないから口にしてるのですが?
どこをどう見て、私を王太子殿下の婚約者であるアリアナ様に見えると言うのです?
人違いです。」
うんうんとこちらを見てる方々が頷くのが見える。
だよね!!!!皆そう思うよね!?
小声で王太子は頭の病気?とか目の病気?とかって言ってるの聞こえるよ!
気持ち分かるけどね!
確かに、私はアリアナ様と同じ金髪碧眼ですが髪の長さが違いすぎますよ!
髪に魔力が宿ると言われてる為、髪を伸ばすのは貴族では当たり前。
私のように肩辺りの長さの公爵令嬢なんてありえませんが????
いや、これ貴族として常識ですよね?
思わず周りの方々の髪の長さチェックするが・・・うん。
男性でも腰辺りまで長い方ばっかなんですよ。
「自分は公爵令嬢でないとシラをきるつもりか・・・。」
「・・・そもそも、アリアナ様は先代公爵様の葬儀で領地にお戻りしてるのでこの会場に居る訳ありません。」
「は!?」
「何を言ってる?
目の前に居るだろうが!」
「ですから、違います!
私は、アリアナ様では無いです!!!」
王太子と側近以外の方は納得のように頷いてますよ?
何でこの方々は分からないんでしょうか?
近くに居る令嬢は顔面蒼白で震えてますし・・・。
「お前の視線でリリーラが怯えてるではないか!」
「ち、ちが・・・!!」
「大丈夫だリリーラ、私に任せろ。」
何見せられてるんでしょうか?
思わず呆けてしまいますよ。
不貞の現場見せられるとか・・・王太子とその側近達の頭が深刻すぎてマズイです。
医者を呼んでください、至急です!急務ですよ、これはっ!!!!
「ふん、今更事の重大さに気づいたのか?」
あまりの事に血の気が引いてたんですね、私。
王太子達が勘違いしてますがあまりの勘違いっぷりに血の気が引いてますしその脳内お花畑(?)が怖いんですよ。
近寄らないでくれません?
「いえ・・・重大も何も・・・人違いです。
そもそも、公爵令嬢が私のような髪の長さだと思ってる時点で常識をどこに置いてきたんです?」
回りも頷くのとそれはヤバい!って顔をされた。
でも、これは仕方ないと思うんですよ!?
未来の王とその王を支える側近達の暴走がヤバすぎるっ!!!
お願いだから常識をどこに落として来たのか言ってくれません?
ダッシュで取りに行きますから!
「自分の罪から逃れる為にそんなデタラメを・・・。」
「えぇ・・・頭大丈夫ですか?」
思わずポロリと本音が出た。
その瞬間睨まれたけどこれ仕方なくない?
「10年以上も婚約関係の方を間違える方が未来の国の頂点に立つのを考えれば国の行く末が心底不安なんですが・・・。」
「っ~!!!馬鹿にしてるのか!?」
「無礼にもほどがあるだろうが!!!」
「どこを、どう見て、公爵令嬢と、子爵令嬢を間違える方が、国の頂点など、不安でしか、無いのですよっ!」
あえて区切り、聞き届けてもらえるよう願いながら言ったが・・・。
驚いてる顔してるだけで理解してなさそう。
嘘でしょ、これが未来の国王とか・・・心配でしかないっ!!!
「えぇいっ!アリアナ・ローレンス!!!貴様を国外追放だ!!!」
勘違いである事を理解してくれませんか!?
後、勘違いにしても罪状言えよ!!!!罪状も無しに追放とかありえないっ!!!!
こっち見て笑い転げてる双子っ!!!
さすがに反論すると思ったらこんな時でも楽しむ一択なのっ!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます