グッドとラックの夢旅行
ソードメニー
第1話 ダークマター
時空の歪み。その中に入ると、たとえ誰であろうと出ることも戻ることも出来ない。身を任せていれば、反対側から出ることができる。しかし、その反対側に新たな時空の歪みがあった場合、はじめの歪みの反対側はなくなり、新たな歪みの反対側から出ることになる。歪みが永遠に続いた場合、当然のように入った者は永遠に出ることはない。この状態をあえて創ることができるものが唯一ある。それは“暗黒物質”である。暗黒物質こそ歪みであり、暗黒物質が歪みを創る。暗黒物質が宿る剣“暗宿剣”を持つゼウスは、永遠の歪みの中を移動している。これはゼウスの意思ではなく、剣の意思によるものである。
「暗宿剣よ。どこまで行くつもりか」
「わからぬ。この身に宿る暗黒物質に聞くがよい」
「それがお主だと思って聞くのだが」
「我は剣であり、暗黒物質に非ず。このラグナロクにとって不徳の致すところ」
「ラグナロクはそれほど黒くはない。今のお主は“ラグナロク・ダーク”であろう」
「その響き、気に入った。しばらくその名で呼ぶが良い」
「構わないが。全く暗黒物質が宿った途端話すようになるとは、真に不思議だ」
その後もゼウスとラグナロク・ダークは共に時空を移動する。
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