幼い頃から不器用で失敗ばかりしてきた少年・神谷幸四郎。高校の入学式の日、気まぐれに訪れた生徒会室で悩みを打ち明けた幸四郎は、不器用を直す代わりに次期生徒会長へ立候補するように命じられてしまい……。不器用な少年が自分を見つめ直して成長していく学園物語です。
幸四郎くんの不器用さを直すため、現生徒会長の立村家司を始め、役員総出で取り組む不器用克服プログラムが読んでいてためになります。
最初の指導は、心理学が得意な副会長・瀬見良高貴の「ペルソナ」を使いこなせという課題!
確かに大人であれば誰しも人は仮面を被っているもの。偽物でも理想の自分を演じていれば、いつしか理想の自分に近づいている、そういうこともありますよね。どんな自分を見せたいのか、どんな自分になりたいのか。自分を観察し続けるうちに、やがて幸四郎の頭の中でもう一人の自分が語りかけてくる……。
第一の課題をクリアした幸四郎くんの前に次なる指導が待ち受ける。果たして幸四郎くんはすべての指導をクリアできるのか。同じ様に悩みを抱える思春期の学生さんに読んで欲しい一作です。
(「失敗からの成功」4選/文=愛咲優詩)