天空へ続く塔
小雨(こあめ、小飴)
第1話 温暖化の始まり
各種族が各々の生活を優先し、あらゆる工業、商業が栄えた。しかし、それと共にこの惑星の極点にある氷が大量に溶け、海面は毎年10㎝の勢いでせり上がってきていた。勢力的に大規模な人間やドワーフ、エルフなどは国家緊急事態として3か国共同で、天空はるか高くへ続く塔の建設を始めた。小規模勢力のコボルトやゴブリンは小規模勢力で共同で塔の建設を開始した。1層目が海水で満たされる頃には3か国同盟の塔は約100層、小規模同盟の塔は約50層完成していた。
層事に民族が分かれて住み、広大な土地を利用した農業や、層の低いところでは漁業、中層では工業などが発展し始めた。文明レベルは工業革命前までリセットされてしまったものの、すでに知恵のある者達が手を取り合い、発展へ協力をしていた。
また、小規模同盟と3か国同盟は点在する塔への連絡船と貿易船を建造し、下層では盛んに交易をとり行っていた。数年後には海面の上昇は落ち着き、第3層が沈む程度の高さとなった。彼らがこの惑星にした罪は重いだろう。しかし、そうした罪があったからこそ、戦争になりかねない者たちが手を組む結果となった。果たして地上で暮らしているのと、この塔となった円形の箱庭で暮らすこと。どちらが今を生きる者達に幸せなのか、今では議論することも不可能である。
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