碧と莉子⚔戦国三英傑

あのね!

第1話⁂学園のスタ―碧⁂

 


 このドラマの主人公の「碧」と「莉子」は、現在有名私立「神茶屋高校」二年生。


 この高校は最難関大学にも多く輩出している難関私立高校である。理系と文系に別れていて、特進クラスが三クラスあり特に特待生は超優秀で、世界一とも言われるアメリカのハー○-ド大学に何人も送り込んでいるのだが、底辺生徒はそれほどでも無い


【特待生(特待生制度):入学金や学費の一部または全額を免除や別途奨学金を給付など、学生の金銭的負担を減らす制度】




 碧と書いて「あお」光り輝く宝石💎のキラキラしたイメージは、赤ちゃんの汚れない瞳と重ねあわせることが出来る。「宝石のように綺麗な澄み切った心をもつ子に育ってほしい」「何にでも興味をもつ子になってほしい」といった願いを込めた命名。

 

 莉子と書いて「りこ」この字の意味は両親のたっての願い「私たちの愛する子として、また誰にも愛される存在になってほしい」という思いを切に願って両親が考えた名前だ。


 碧は高身長に加え超美形のパ-フェクトボーイ。更には特進Aクラスに在籍するエリ-ト高校生で、勿論特待生制度で入学した超優等生。


 一方の莉子は成績はいつも底辺をうろちょろ、更にルックスもそばかすだらけの瓶ゾコメガネ女子でルックスも、これまた底辺をうろちょろ。更にはもっとも悲惨な事に最底辺のHクラスに在籍中。


そんなどうみても接点が見つからない二人に、訪れた摩訶不思議な出来事。


「キャ-キャ-碧君素敵!こっち向いて!」

 ”ツンツン”無視。

「な~によ?ツンツンしちゃって~」


 ウザイ女子達に付きまとわれる碧は、毎日の事ながらまるでスト-カ-のように、行く先々に現れ、熱い視線を送る女子達に辟易している。


(全く~!勉強もしないで色気づいちゃって、ああ言う、おつむ空っぽの色気に走る女苦手なんだよな~?雑魚どもが――ッ!フン!)”ツンツン”


 女子達も必至だ。正々堂々と声を掛けても無視されるのが関の山。それなので女子達もどうにか振り向いてもらおうと、ある時は待ち伏せをして偶然を装い物陰から一気に碧君の前面に現れ、お近付きになろうと必死で策を練っている。


「オオオッ!ビックリした!」


「あっ!ごめんなさいね。碧君ウッフッフッフ~!あの~?今帰るの~?」


「そうだけど?」


「アッ!途中まで一緒に帰りませんか?」


「あっ僕チョット寄るところがあるので~?ゴメン。じゃ~!」


「私達も……一緒に途中まで……」

 迷惑そうに”ツンツン”無視。


「まったく~!チョットくらい私達の気持ちも考えてよ。全く冷たいんだから……」


「アッそれでも…碧君と目が合った……ワ~!これは脈が有るかもしれない?」


「違う!違う!急に私たちが目の前に現れたので、驚いて目が合っただけ」

 このように全く付け入る隙が無い碧君。


 

 ⁑

 ある日碧君が、校舎を横切りサッカー部に行こうと急いでいると、誰かが”ボ~ン”とぶつかって来た。

 ド近眼の莉子が、メガネがズレて目の前が分からなくなって、ぶつかってしまったのだ。


「アッ大丈夫?」


「大丈夫です。あっ!ごめんなさい。私、ド近眼なもので……うっかりメガネがズレて周りが……分からなかったのです。すみません。失礼します」


 そう言うとス~ッと去って行ってしまった。

 いつもの女子達だったら、目をウルウル、ギラギラさせてスト-カ-のように近づいて来るのに今日はどういうことか、そそくさと去って行ってしまった。


 ブスとか美人とかそんな問題じゃない。

(このパ-フェクト男子の俺様に、そっけない態度取るなんて今まで見た事無い。全く俺様を誰だと思っているんだい?この学園きってのパ-フェクトボーイ碧様を知らないとは、とんだモグリ?)


 何か?今まで一度も味わった事の無いそっけない態度に(この俺様に全く興味を示さないとは?あれ~?俺ってそんなに大した事とないのかも?嗚呼アア……それとも……俺に打って変るスタ―男子が現れたのかも?)何かヒシヒシと感じる不安感?

 

 

 今までは女子は、この俺様学園のスタ―碧様にひれ伏す、その他大勢のファンぐらいにしか思っていなかった。

 (それが……あんな冴えない女の子に袖にされるとは、これは有ってはならぬ事。ああああ……嗚呼……ああああああ……)

 

 つれなくされた莉子に対して……何かしら……不思議な……興味が湧いてきた。


(この俺様があんなブスに袖にされるとは?プライドが許さない)その理由を解き明かしたい? 

 

 だから自然と莉子の出現しそうな場所を、あえて選んで歩いていたのかも知れない。


 そんなある日、とうとう莉子を発見することが出来た。

 まだ、名前も知らない……ただ同じ学校の生徒である事だけは校章バッジで分かっていたが、運の良い事に丁度目の前を莉子が歩いているではないか?


 青信号に変わったので莉子が信号を渡っていると、車が勢いよく右折して来た。


「あっ!アブナイ!」

 碧君は、咄嗟に目の前の莉子を助けようと駆け込んだ。



キキキ————————ッ❕ボッカン///〷グッシャン//〷バリバリバリ〷∥ド—————ン


 もわん もわん もわん もわん もわん  もわん 


「こっこれは一体?」



 ⁂

 気が付くとそこは、何と……戦国時代の安土桃山時代。


 あの、世にも有名な天下人「豊臣秀吉」の時代に様変わりしていた。

「エエエエエエ————ッ!一体どういう事?」

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