独り、雨まみれ

 雨まみれの中、悲しみ抱いて歩いている

 プラスチック製の合羽が雨粒を弾く


 長靴も汚れちまって


 合羽も汚れちまって


 傘は何処に置いてきたのかすら覚えちゃいない


 雨まみれの中、苦しみ抱いて歩いてる

 何も望むことなく、絶望が怠惰の奈落へと突き落とす


 部屋の中、独り命の夢を見る


 夢のような夢の日々は


 夢の如く過ぎ去っていく


 雨まみれの中、痛み抱いて歩いている

 泥溜まりには何も映らず、過ぎゆく景色も何も変わらない


 先行く道には何もない


 雨合羽を脱ぎ捨てば、この汚れちまった哀しみも、苦しみも、痛みも全て洗い流せるだろうか


 雨晒しする日が来るだろうか

 僕にはまだこの合羽が必要だ


 まるでゴルゴタの丘を歩いているかのよう


 雨に触れてないのに、苦悩が体に染みていく

 雑木林は闇に溶け、小鳥も囀りも狼の遠吠えに聞こちまう


 この夢から覚める日を祈り続ける……

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