塩梅

川口智秋

第1話 ここに至る

全ての生き物に言えることだが、何のために生まれてきたかといえば、何かを遺すため、ほとんどの生き物が子孫を遺すために生きているといえるのではないだろうか?

 ただ人という生き物と比べて特殊というか何というか、もちろん子孫を遺すためという本能を持ちつつも、子孫を遺すだけでなく他のモノを遺すことができる生き物であったりする。例えば、書物であったり、絵であったり、記録であったり、記憶であったり、後世に何かを遺す偉人が多数存在する。

 僭越ながら、小生も偉人になりたいとは思わないが、後世に何かを遺したいと夢を見てきた。


 いつから?

 物心ついた頃からと言いたいところだが、小生の幼少期は何も考えていない出来の悪いクソガキ、というよな表現では物足りないくらい出来の悪いお子様でした。よく母が参観日や懇談会で小生の奇行、蛮行を散々聞かされたあと、「おまえの参観や懇談会には恥ずかしいから行きたくない。」と愚痴をこぼすほどの出来の悪さといえば伝わるのでしょうか。勉強が出来ないのはのはもとより、生活態度、生活習慣も出来ない、所謂、今なら発達障害と診断されるレベルだったと思います。恥をかいても恥とも思わず、そんな少年でした。そんな幼少期から思春期になったところで、急に恥ずかしさが芽生え、今度は引っ込み思案になり、自己否定に陥り、そして勿論、勉強が出来ないという人生のどん底が中学生。そんな親からすら呆れられるクソガキな小生の人生が好転し始めるのは高校生から。といっても劇的に好転する訳ではないのだが、先生に褒められるようになったというレベル。これを好転といえるほど、それまでの人生が醜かった。このころからかな?本を読み始めたのは。

 そして少しずつ考えるようになった。

 そして考えをのべれるようになった。

 そして人とぶつかるようになった。

 そしてまた考え、改めてから述べれるようになった。

 気がつけば社会に出て何とか周りに認められ、家族を持ち子宝に恵まれ、人並みな生活を営むことができている。

 何の取り柄もない、とても出来の悪いクソガキが。

 何故なのか?考える何の取り柄もないクソガキが何故社会で認められ人並みな生活を営めたのか。

 考えてブログとして書き出したのが”39からのブログ”39karanoblog.comである。

 それが39歳。


 前置きが長くなったが39歳から自分が成長できた要因、失敗した経験から得た知見、世の中の摂理を書き出し後世に残したいと考えるようになった。ブログという形で実行に移したのだが、ブログというのはその名の通り記録であり、小生の実力不足もあり、書き殴りのメモとなり、とても後世に読めた代物にならなかった。何とかしてブログを整理して読みやすいものにしたいと試行錯誤すること数年、自費出版、Kindle出版、その他諸々検討したが、どうも気が乗らない、いや実行する実力がなかったというべきか。そんなこんなで数年。そんな時にであったのがカクヨムである。書いて読めるを突き詰めたユーザーインターフェイスに触れこれなら書けると、ブログに囲い殴った内容をエッセイという形で整理し、読みやすくまとめていこうとするのが本連載である。

 

 もう一つ悩んだのがタイトル。

 これというのがなかなか出てこないときに、パン屋の友人がクロワッサンに塩を入れ忘れる話をしてくれたときにピンときた。原料の割合でいえばほんの数%である塩を入れ忘れたクロワッサンは、締まりのない府抜けた味になりとても食べれたものではないという話だが、人生においても、ほんの少しのこと、ほんの少しの違いで、人生が大きく変化する塩の塩梅がある。つまり自分がブログに綴ってきた”自分が成長できた要因、失敗から得た知見、世の中の摂理”とはまさに人生における”塩の塩梅”であると気づき、タイトルは塩梅と命名した。一話ごと末行に”今回の塩梅”と題して人生において実行、行動すれば幸せになれる人生のコツを書いていく所存である。


 そんなこんなで、第一話を書き始めて数年が経とうとしている。ようやく第一話を書き終えることができそうだ。気がつけば49歳になり、ブログ開始から10年たち、何とか本連載を立ち上げることができそうです。読んで良かった、人生を幸せに出来たと感じてもらえるものを書く自信もある。お付き合いいただければ幸いである。


 2025年8月吉日ここに至る。


第1話:人生の塩梅

 人生のおいて後世を意識して行動することは人生に様々な恩恵をもたらす。後の人のことを考えて行動するということは、世の中を良くして、子孫にいい思いをしてもらおうということ。これらの行動は、長い目で見れば自分自身にも返ってくる。過去の偉人と呼ばれる人達も必ずと言っていいほど、後世、歴史で語られることを意識して行動している。意識することで自分自身の人生に幸運をもたらすことを分かっているからである。少しでいい、後世を意識して行動してみよう。

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