題名未定
なの
第1話
〜〜〜2018年8月〜〜〜
『よぉ!元気か?』
『…う、うん、』
『おめぇはもっとシャキッとしろよな!元気にいこーぜ!』
『そ、そうだね…』
愛貴は俺のクラスメートだ。よくつるんで話してる。おそらくクラスのなにも知らない連中からしたらなぜか仲のいい陽キャと隠キャのようにみえてるんだろう。
つーか、そうでねぇと困る。だって、俺は愛貴のことを『教育』………
聞こえを悪くいうならば愛貴のことをいじめているからだ。
けど、これは仕方のないことなんだよ。俺は愛貴を……
〜〜〜2018年4月〜〜〜
『八橋高校ってでっけーなぁおい!んなもん迷子になっちまうぜ!』
叫びたかった。けどしない方がいいだろう。そのくらいの分別くらい流石の俺でもある。
『クラス表は…っと、あそこか、俺は何組やろか…』
元から声が大きい方なだけあるから独り言で人が振り向いたりしている気がするがそんなことはどうでもいい。折角の高校初日や、テンション上げてかな困るで!
『ん〜っと、俺は俺は…っと、見つけた!4組やな!』
4組の場所に俺の名前『鈴木元気』があってこの学校に本当に入ったことを実感する。
『おぉはよぉございまぁぁぁす!』
と、ドアを開けて叫べれば高校最初のインパクトとすれば満点だろうが、流石にそんなことをするだけの鋼のメンタルは俺にはない。
けど初日は近くの席のやつと友達になるんや!
『おはようさん!名前なんて言うん?俺は元気!名前通りやろ?よろしくな!』
今思えば、ここで声をかけたのが前の席では無かったら、なにか変わったのかもしれない。
『………う。』
『なんか言ったか?』
『お、おはよう。ぼ、僕は愛貴っていうんだ。よ、よろしくね…』
蚊の鳴くような声だった。弱々しい声だった。正直すこし苛立った。
なんで自信を持って喋らない?どうしてもっと声を出さない?
性別でどうこう言うつもりは無いが、ついてるんならもっと堂々とするべきだろう?
そんな感情が口から溢れだすのを抑え、俺は返事をする。
『愛貴か、よろしくな!ここで出会って話したのもなにかの縁や!俺と友達にならへんか?』
これが、俺と愛貴の最初の出会いだった。
題名未定 なの @afei
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