お団子パーカー女子は必ずヘッドホンをしている

かかっ

第1話 通りすがりのお団子ヘアーパーカー女子は必ずヘッドホンをつけている

猛暑が終わり湿気の香る季節に、ぼーっとしながら愛車である真っ黒の自転車に乗って通学していた。

 今日は小テストがあるせいで、重いペダルを漕ぎながら絶賛現実逃避中だ。

 そんな中、反対車線側にいる女子高生が俺を釘付けにした。


 なぜだろう。

 彼女も自転車に乗っていて、20メートル以上も離れているのに爽やかな気持ちとなった。

 お団子ヘアーで白のパーカーを着ていてヘッドホンをつけている。

 一瞬だったが鮮明に見えた。

 脈拍が速くなり息が上がっている……この感覚は覚えがある。


 恋。

 同じ地区の女子校だって言うことは制服を見ればすぐに分かった。

 明日も同じ道の同じ時間に通学すると心に誓い学校へ向かった。


 

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