第5話 葉山との二人の生活 二
葉山との二人の生活が始まった。二人の同棲生活が始まったわけで、いろんなことが手探りだった。とりあえず、葉山が生活するのに不便がないようにと思い、そこそこのものは買いそろえた。
優一は一人暮らしだったわけで、あらゆるものが一人分しかなかった。友人が来たりすることもあったが、そんな時は百円ショップで買った紙コップと紙皿で切り抜けてきた。
そんなわけで食器から、こまごました生活用品、それに葉山は女性なので洋服や化粧品なども置いておきたいというので、そういう葉山のスペースも部屋の中に確保した。まあそれなりに二人で生活できる空間ができた。
それから、数日が過ぎた。こうして一緒に生活してみると意外に葉山は普通の女性で、夜になるとバラエティー番組を見たり、声をかけても振り向かないほど入り込んでドラマを見ていたりする。
今まで、あまり彼女に生活感を感じなかったが、家で食事をするときは、いつも彼女が料理を作ってくれる。そして、いろいろな料理がかなりおいしい。はずれがない。このことを彼女に言うと、すごく嬉しそうな顔をしたのが印象的だった。
当然であるが降霊術をしたり、明日の運勢を水晶で占うなどということはしないし、巫女の衣装でお祈りをしたりもしない。
今までそういう場で葉山に会うことが多かったり、葉山と一緒に、あえて、そういう場所に出向いたりしていたので、そういう彼女を見ることが多かったのかもしれない。しかし、本当の彼女の姿は極めて普通の女子であることが段々わかってきた。
普段の日は優一は大学に行く。アルバイトのある日は結構遅く帰ってくるのだが、晩ご飯を作って置いておいてくれる。葉山が、その日一日どう過ごしたのかはわからないが、優一が家に帰ると本を読んでいることが多い。そんな毎日が幸せだと思う優一だった。
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