異世界の最強幼女魔王様とスワッピング転生をしました。あれ?これってそそのかされただけなんじゃ!?

Tさん

プロローグ:スワッピング転生

「ふう。なんというか、今日は一段と調子が悪いな………。

 でも、なんだろう? 妙に頭だけはすっきりとしている。これはこれで変な感覚だな。」


 とある病院のベッドの上に男性が横になっている。


「いきなりの展開で申し訳ないのだが自分はガンに冒されている。身体のあちこちに転移して一部はステージ4でもう長くないということである。

 確かにどんどんと身体がいうことを効かなくなっている自覚はあるのだ。」




「おおおぉ! ようやく他人と繋がることが出来たわい!」


「ん? なにやら声が聴こえるぞ? 女性? というよりはもっと幼い女の子?

 それになんだか意識も朦朧としてきている気がする。これはもしかしてとうとうお迎えの日が来たのか?

 っていうか、なんでロリババア語なんだろう。」




「えええい! お迎えと違うわい! それにどさくさに紛れてババアとは失礼な!

 慌てずに良く聞いてくれ。儂の名はパール・パープル。そちらからすれば異世界にあたるな。そして世界最強の魔王をしておる。」


「………。


 入院してから数年建つが、ずっとマンガとアニメを見てきたからかな?

 とうとうこんな幻聴? というか夢なのかな? どっちにしても身体の限界には間違いないようだ………。」




「待て待てまてぇい!!! 幻聴でもないわ! それにおぬしもまだ限界は来とらんから安心せい!

 本当に異世界から魔法でおぬしに語りかけておるんじゃよ。そんなことよりもおぬしの名前を教えてくれんかのう?」


「え? 死神は可愛い女の子でした! ってことじゃなくてホントに可愛い女の子の声が聴こえてるってこと? 会話しているってことなの?

 えっと、自分は多崎真樹(たさきまさき)と言います。」




「ふう。ようやく信じてくれたか。まあ、確かにいきなりこんなこと受け入れられるのも難しい話ではあるがのう。

 今までは呼びかけに応じてくれたことはあったが、すぐに遮断されてばかりじゃったからな。こうして会話が成立したのは初めてじゃわい!」


「えっと、あっと、まだまだ混乱はしているんですが、とりあえず会話していることはわかりました。それで、私に話しかけてくる要件はなんでしょうか?」




「うむ。よう聞いてくれた!

 結論を言うとじゃな、儂とおぬしの身体を入れ替えんか? おぬしはこちらの世界に来て儂の身体で生きる。儂はおぬしの身体でそちらの世界で生きる。身体をスワッピングするということじゃ!

 さしずめスワッピング転生とでも言おうかのう。」


「!? それはどうしてですか?」




「うーん、そうじゃのう。儂が先代から魔王を継承して数十年経つが、儂自身は世界最強じゃし、領土も拡張して人間が住んでいるところ以外はあらかた平定してしまったんじゃよ。


 でじゃな、この世界の常識とは違う別の生き方があるのならやってみたいと思って、毎月フルの魔力を使って身体を入れ替えてもらえそうな人材を探しておったのじゃよ。

 そして苦節150回目にしてようやくおぬしと会話することができたんじゃ!


 もちろんおぬしの意思は尊重するぞ。嫌なら断ってくれても構わん。魔法発動の達成条件でもあるしな。じゃがおぬしとしてもこのまま病気で死ぬのを待つのもつまらんじゃろうて?

 それなら、儂と身体を入れ替えてこっちの世界で魔王を満喫するのも良いアイデアじゃと思うのだがどうじゃろうか?」


「なるほど。魔王様の言いたいことはわかりました。しかし、身体を入れ替えるとなると魔王様がこの病気の身体に転生するんですよね?

 それに何のメリットがあるんですか?」




「うむ。それはその通りで良い質問じゃのう。しかしそこは安心せい!

 儂の最後の魔法でそちらの身体の病気をいったんすべて完治させる。それくらいは可能じゃ。その後、人間の寿命としては残り30~40年程度かのう?


 おぬしの世界には本当に楽しそうなもの、奇妙なものがいっぱいあるみたいじゃし、それを満喫して生きることに興味があるんじゃよ。」


「えっと、転生や病気を治して魔力が無くなるってことだと思うんだけど、自分がそっちに転生したら魔法が使えないとか無い?」




「ふむ。それも心配するところじゃな。確かに一度は魔力がカラになってしまうが、そこは魔族の身体じゃ。3,4日ほどですっかり元通りになるじゃろう。」


「うっ、うーん。なるほど。た、確かに魅力ある話ですね………。

 あっ、そうだ! 記憶だ!

 これはお互いに言えることだと思うけど、それぞれ生活してきた記憶が無いと不便じゃないですか? というか、生活できないレベルじゃ?」




「なっ!? 確かにおぬしは鋭いのう。しかしこんな細かい性格しておると色々と大変じゃろうて。気苦労が知れるわ。


 確かに儂もそこまでは考慮しておらなんだ。それならばお互いの記憶もそのまま置いていくようにしようではないか。


 人格は自分のまま、記憶はそれぞれの身体にそのまま保持している。そうすれば生活にも困らんであろう?」


「くっ。確かにここまで言われて断る理由なんて無いよな。このままだと病気で身体の自由が無いまま朽ち果てるしかないし。まあ、この状況が本当に夢じゃないのならね。

 しっかし、現状オレは男で、魔王とはいえ女の子として生きていくのは大丈夫かな?」




「なんじゃそんなことか。儂は魔王じゃぞ? 男と女や大人子供なんぞは些細なことじゃよ。

 それよりも、そろそろタイムリミットが迫ってきておる。転生する魔力を考えるとあと数分で決めてもらわねばならん。もちろん、断ってもらっても良いがどうするじゃろうか?


 このような言いようは卑怯かもしれんが、今回おぬしに断られても儂はまた次を探すだけじゃ。しかしおぬしにおいてはどうじゃろう? 断れば間違いなくそのまま死んでゆくだけじゃぞ?」


「確かに魔王様が言うようにこのままではもうすぐ死んでしまうだけ。

 マンガやアニメで散々見た異世界転生。しかも魔王に転生が決まっている。よく考えなくてもこんなの断る理由なんてないじゃないか!


 ぜひともよろしくお願いします! 魔王様!」




「本当か? それでは契約成立じゃな!

 それでは儂の言葉に続いて復唱してくれ。契約の呪文のようなもんじゃ!


 魔王パール・パープルと多崎真樹はお互いの身体と記憶を入れ替える。この言葉を以て契約成立の証とする。」



 ふたりは呪文を唱えた。

 すると、頭が真っ白になったのである。



 さて、始まりました幼女魔王様とのスワッピング転生!

 いかがでしたでしょうか?

 ストーリー展開、キャラの魅力満載でお送りしておりますよ!

 これを見たあなたはもうブクマも☆も付けるしかありませんね!

 いや、付けるでしょ?☆もブクマも?

 いえ、ぜひともめちゃくちゃお願います。ほんとにお願いします!☆とブクマ!


 この後の展開もぜひとも楽しんでいってくださいね!




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