02
(それなりに羽振り良い佇まいだった)生家を侵略し、奪った叔母夫婦はそれから揃って仕事を辞め+そしてやっと大学を卒業した従姉妹はニートになった。
『あーあ、もう一銭も無いのぉ?慰謝料だっけ?たかが数百万、それしかくれないだなんて案外その会社もちゃちいわねー…』
口座には潤沢にではないとはいえ、(過度)な贅沢さえしなければ数十年は生活してゆける金額が振込まれていたのに…
『金も尽きたし、小汚い小娘なんてウチに置いておく義理も義務もないんだけどねえ。ほら、置いて欲しけりゃ頼みなよ。“私は汚い野良犬です、ここに置いてください”ってね!』
『アハハハハハ!薄汚いしホントに犬コロみたーい!』
疲れ果てた脳裡にリフレインするのは、思い出すのも億劫な叔母一家の下品に甲高く耳障りな罵詈雑言の数々。
こんな人生なんて、もう諦めているから如何でも良いけれど……憎しみだけは依然として消えてくれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます