02

(それなりに羽振り良い佇まいだった)生家を侵略し、奪った叔母夫婦はそれから揃って仕事を辞め+そしてやっと大学を卒業した従姉妹はニートになった。


『あーあ、もう一銭も無いのぉ?慰謝料だっけ?たかが数百万、それしかくれないだなんて案外その会社もちゃちいわねー…』


口座には潤沢にではないとはいえ、(過度)な贅沢さえしなければ数十年は生活してゆける金額が振込まれていたのに…叔母一家クズどもは湯水の如く散財豪遊を繰り返した挙句にものの半年で凡てを使い果たしてしまい、次にエマの給料に目を付けた。


『金も尽きたし、小汚い小娘なんてウチに置いておく義理も義務もないんだけどねえ。ほら、置いて欲しけりゃ頼みなよ。“私は汚い野良犬です、ここに置いてください”ってね!』


『アハハハハハ!薄汚いしホントに犬コロみたーい!』


疲れ果てた脳裡にリフレインするのは、思い出すのも億劫な叔母一家の下品に甲高く耳障りな罵詈雑言の数々。

こんな人生なんて、もう諦めているから如何でも良いけれど……憎しみだけは依然として消えてくれない。

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