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しがらみの精算として、今やすっかり叔母一家シロアリの牙城と化した生家に残していた少ない私物を処分し、その日の内に勤務先の本社宛に退職届を叩き付けてきた。

他人に寄生するしか能のない叔母一家クズどもの生活資金源がこれで完全に寸断されるだろうことを期待しながら数ヶ月様子をみて解ったのは───多額の借金で既に首が廻らなくなる処か、身動き自体が取れなくなっている状況ことだった。

ざまあみろ、今さら後悔しても遅い!

この状況を完璧に確実に作り上げるまで、苦節11年。長らく待ち兼ねたが、やっと報復を果たす瞬間が訪れるのだから…堪え甲斐もあろうというもの。

どこまで膨らんでやがて爆ぜるのか、その瞬間を見届けるのが今後の楽しみだ。



さて、それからしばらく時間が経って元勤務先から多少の退職金を受け取った。

────が、だからといって今までの不遇パワハラを許した訳ではない。

勤め先には3年以上在籍していたからマニュアル作成なども任されており、退職前に引き継ぎが必要な業務マニュアルが殆んどだったのだが皆さん(もちろん)ガン無視。


(ああ、そうですかそうですか。私が作成しつくったマニュアルになんぞ、引き継ぐ価値もないと?)


腹いせに総て処分シュレッダーしてきたし…多分、今頃は上から下への大騒動だろうな。

憶測のみで嘯かれた低俗かつ事実無根の噂で個人の名誉を傷付けたクソ企業め!ざまあみろ、だ。

ちなみに、事実無根の噂を流した張本人は興信所を使って特定済みである。


コピー済みのパワハラの証拠データを本社宛に送付したその後、主犯の元上司と後輩はトントン拍子に然るべき機関に法の裁きを下され…職場を解雇されたとつい数日前に某関係者から報せをもらった。

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