著者略歴と解説

 セブン・オリベは共和国南部出身の文筆家。

 どちらかと言えば、共和国南部の少数民族の権利保護を訴えた文章が多く、小説は24作ほどの短編しか書いていない。本作のように、少年期の多感な感傷を題材とした幻想小説が多い。

 本作は、同じ冒頭から様々な物語を紡ぐ連作集の1つで、とくに作者自身の体験がもとになった作品である。

 かれはネコ好きとしても知られ、早すぎた晩年には『ノノ』『蜻蛉』『サンクレール』『福田』『アーニャ』と5匹のネコを飼っていた。かれ自身は猫頭だったため

「猫がネコを飼っている」

と、揶揄されたが、本人は

「違うな、わたしがこの仔たちに飼われているんだ」

と、笑って返していたという。

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