第27話 美和子との再会2
ウエスティンHOTELのビルに一緒に入ったが警備員が気になった。それは前の職場から影響で自然と気になってしまう
でも今回は警備員を見下すような、変な優越感があった。
エレベーターに乗り26階のボタンを押す
目指すレストランシンフォニーは26階に位置するスタイリッシュな空間を持つレストランである。
レストランにはいるとボーイが窓際の席に案内をしてくれた。
下調べはしてあったので、ランチメニューの「宮城ウエルネス」を頼んだ
一番高いメニューである。
美和子は、はしゃぎながらしゃべり始め、自分も堰を切ったかのようにしゃべった
それは何十年ぶりの再会を果たした竹馬の友のようであり
なんの違和感も無かった。
気づくと2時間あまり経っていた。
ランチタイムの営業時間話も終わりそうだったが、話足らないよう気がして
フロント隣のラウンジ「ホライゾン」に誘った。
窓際の席に座ると
「昭さんはお仕事何をしてるんですか」と聞かれ
昔だったら恥ずかしくて言えなかったが、半分自慢げに
「自分でディーラーしているんだよ」と言った
「車屋さん??」
一瞬「え!」と思いましたが、確か美和子は投機もしてると聞いていたので
思いがけない返事にびっくりした。
「投資、いまFXをしているんだよ」
「え~~凄い。車屋さんだと思った(笑)」
「私のね。父も為替のディーラー・・・・・・・・」としゃべり始めた
美和子は、はるかに私の知識を超え世界をグローバルに見ていた
今、世界はFRB議長グリーンスパンが仕掛けた量的緩和でバブルになっていて
いずれは崩壊するだろうと言っていた。
「まぁ、父の言っていること真似してるだけどね(笑)」
と言って、父がいるからと家に来ないかと言われたが
そんな、今始めたばっかりのひよこが、そんな経済学者みたいな
人と会うのは気が引けたし、美和子に特別な感情があるのに別な意味で逢うのは避けたかった。
ちょっと怪訝そうな顔していると、美和子は今から行くのが面倒と
解釈したのか、笑顔で
「直ぐ近くなのよ。あそこ」と指を指した。
確か・・あそこは「シティタワー仙台五橋」高級マンションだったはず
美和子がいい家のお嬢さんに思えた。
でも、何故バイトなんかしているのだろう
「今日は遠慮しとくよ。ところで居酒屋のバイトは??
この間も行ったら休みだって言うから」
「あそこのママはおばさんなの。だから人がいないときや
アルバイトが急に休んだ時に手伝いに行ってるのよ」
「だからお父さんも、本当たまにだけど飲みにくるから、その時連絡してあげる?」
話を聞くと、美和子の母が病弱のため妹がよく自宅に来ていて
家のことをしていたそうですが、母が死んでからもちょくちょく家に来ているそうです。
美和子が言いには、二人は関係がありそうだとか、女の勘で・・・
そうか、よくバッティングしなかったなぁ~~昭はそう思うと
気軽に行けないような気がしていた。
それから偶然にも苗字が同じことが分かり、それでも二人で大いに盛り上がり
兄、妹の設定なってしまった。
美和子は「おにいちゃん」と呼ぶことになり 昭は「美和子」と呼ぶように二人で決めた。
そして、株や経済の情報などをやり取りするために、メルアドも交換した。
美和子の父の情報網は凄く、聞いているだけでためになったし
また、美和子の知識も半端ではなかった
さっきの「ディーラー」「トレーダー」の違いも分かり
美和子が車屋さんと間違うのもうなづけた。
昭は自分の中で確実に自信がついていってるのが、今美和子と話しをしていて実感できた。このまま告白をしようと思えば出来た雰囲気だったし
昭自信もなんの抵抗もなかった。
でも自分とは育ちが違う、そんな感じがしちょっと今日は遠慮した。
楽しい話が終わりホライゾンを後にして、先ほどの信号の前のセブンで別れた。
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