第14話  休み明けの出勤

3日ぶりに出勤すると、川口に呼ばれ、またも30分程説教を食らったが

何も頭に残らず、まぁ聞いてもいなかったが、

この会社を辞めることを考えていた。

それは打算的なこと、年末にやめて次の仕事があるだろうか?

ボーナスをもらってやめようか?そんなことを考ながら

川口のパクパクした口を眺めていた。


そんな腹話術みたいな顔を見てると

滑稽でもあったが、無性にくだらないと思い始め、こんな仕事ではなく

自分にはもっと別な仕事、もっと出来ることがあるのかも知れない

といつもとは違う自分がそこにはいた。


親父の暴力で、対面恐怖症の自分、流されながら今まで働いてきた自分

そうじゃない自分がいるのでは・・・

そんな思いが川口を見ていると湧き出てくるから不思議だ。

そんなことを考えていると


「分かったのか!!昭」


はっとして


「はい。よく分かりました」

と返事をしておいた。


そのまま現場に向かい朝までそつなく仕事をこなすと

そのまま自宅に帰り寝てしまった。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る