不登校の僕と君

カオさん

第1話:不登校の僕

これを今書いまかいている季節きせつふゆだけれど、きみごしたおもでもっともかったのはあのなつだった。


いえでエアコンつけながらゲームしたり、たがいのことはなしたり、げたらキリがほど一緒いっしょあそんだ。

それがきみとの青春せいしゅんだった。ほかなにい。それだけがぼく人生一じんせいいちおもだった。


きみうこれまでの人生じんせいぼく恋愛れんあい興味きょうみかった。

ぼくたいしてイケメンじゃないし魅力みりょくいし、なによりそんな自分じぶんがコンプレックスで仕方しかたがなかった。


ぼく中学三年ちゅうがくさんねんはるから学校がっこうきらいになりかなくなった。

ぼく性格せいかくインキャそのもの。それのせいかいじめの標的ターゲットになり不登校ふとうこうになった。


不登校ふとうこうになっていっげつったとき追加ついかしたとはいえ連絡れんらく一件いっけんやしないLINEに通知つうち一通届いっつうとどいた。



そうだ、きみからだ。



ぼく鼓動こどうはやくなった。

きみからたことにもLINEがそもそもたことにおどろきをかくせなかった。



『もういっげつてないけど大丈夫だいじょうぶ?そろそろ心配しんぱいだよ.....』



心配しんぱいのLINEがた。

人生初じんせいはじめておんなからこんなLINEがた。なのでどうかえそうかへんなやんでしまう。

失礼しつれいのないようにどうかえしたらいいかとか、感謝かんしゃをどうつたえようか.....かんがえて5ふんってぼくはこうかえした。



大丈夫だいじょうぶです。ご心配しんぱいありがとうございます。」



どうかえしたらいいのかからなかった。さくにかえしたほうかった?それともなくかえすのがかった?どっちがいのかからずえずおれいをしておいた。



『ほんと~?まぁ、大丈夫だいじょうぶなら明日あした学校がっこうなね~?

それと、わたし学校がっこうにスマホってきてること秘密ひみつだよ?だれにもっちゃダメだからね~?』



そういうきみぼくは「はい。」とかえす。

すると返信へんしんとしてかえってきたのは可愛かわいくないネコのありがとうスタンプ。


彼女かのじょ名前なまえ橋本はしもと 李乃りの生徒会長せいとかいちょうとかいうぼくとはくらものにならない世界せかい人間にんげんで、名前なまえ乃の部分ぶぶんから【りい】と愛称あいしょうばれてる。


時間じかんは13丁度ちょうど給食きゅうしょくわりみな昼休ひるやすみの時間じかんごすなかぼく部屋へや一人ひとりがっていた。


正直しょうじき女子じょしからのLINEだからというのもあるし、女子じょしからあーやって心配しんぱいされたことうれしくて仕方しかたがなかった。


もしやぼくがあるのでは......おっとと...あぶないあぶない......ともかく、うれしく気持きもちががったぼく明日学校あしたがっこうってみようと覚悟かくごめた。



後日ごじつ



あさの800ふん風呂ふろはいり、制服せいふくてリュックを背負せおう。そしていざ学校がっこうへとす。


じつ一ヶ月いっかげつぶりの登校とうこうということもあり、やはり足取あしどりというのも少々しょうしょうおもいところがある。

緊張きんちょうしてる....クラスメイトにおぼえられてるかなんかどうだっていい。

ただただ緊張きんちょうしてるんだ。


当然とうぜんぼく以外いがいにも通学つうがくする生徒せいと沢山たくさんおり、それにざり校門こうもんをくぐる。


.......かえりたい。かえりたい以外いがい言葉ことばかばない。

したうつむいてあるいていると、まえからだれかがはなしかけてきた。



【あー!かおるくんひさしぶり〜!】



そうぼく名前なまえぶのはのは保健ほけん月野つきの先生せんせい

年齢ねんれいわかく、美人びじん先生せんせいだ。


保健室ほけんしつうのはインキャの温床おんしょうインキャがるべき場所ばしょ、もしくはホームグラウンド。

そうべるくらいびたっていた時期じきがあり、学校がっこうをパタッとかなくなる以前いぜんはよくお世話せわになっていた。



「えぇ.....おはようございます月野つきの先生せんせい......」


元気げんきにしてた~?全然ぜんぜんないから心配しんぱいしたよ~!】



ぼくかたぼくたことにうれしがる先生せんせい



かおるだめだよ?学校がっこうかなきゃぁ~?勉強べんきょうついていけなくなっちゃうんだからぁ~】


「あっ...はい.....」


【まっ!よくた!えらえらい!ってらっしゃい~】



先生せんせい言葉ことば憂鬱ゆううつになりながら先生せんせいわか下駄箱げたばこほうかった。

くつ下駄箱げたばこに入れ、みんなより綺麗きれい上履うわばきを教室きょうしつへとかう。



《教室/3年1組/HRホームルーム



担任たんにん先生せんせい出席確認しゅっせきかくにんる。



橋本はしもと 李乃りの......内田うちだ....っ!!?〕



本来ほんらいぼくばれるところで、先生せんせい突如とつじょこえめて名簿めいぼぼくほう交互こうご何度なんども見直みなおす。

その素振すぶりをてなのかぼくまわりでは、クスクスわらごえこえてくる。


ぼくすこずかしい気持きもちもありつつ、仕方しかたくこうう。



「せ...先生せんせいどうかしました...か...?」



すると先生せんせいなおしてぼく名前なまえぶ。



〔う...内田うちだ かおる.......〕



すべての名前なまええ、一時間目いちじかんまえ授業じゅぎょう準備途中じゅんびとちゅう先生せんせいばれた。


教壇きょうだんほうはなしく───



〔......大丈夫だいじょうぶか?んだりしてないよな?〕



なにかとおもえばぼく安否あんぴ確認かくにんようこといてきた。



平気へいきですよ。なんともないです。」



と、よううと先生せんせいはさらにいてくる。



〔どうしてたんだ?....せっ...先生せんせいてくれてうれしいけどな!?でもな、いきなりたらやっぱになるから....な?〕



ぼくをじっとてそういてきた。

すこしばかしずかしいもするけどはなした。



なんうか.....そのっ.....心配しんぱいっ....されて......」


おやからとかか───?〕



先生せんせいぼくこうとしたところで授業開始じゅぎょうかいしのチャイムがる。



〔っ......まぁ、なにはともあれてくれてうれしいよおれは。

さっ、授業じゅぎょうはじまるぞー?せきにつけー〕



《授業が終わり休み時間》



授業じゅぎょうわり個々ここでそれぞれのやす時間じかんごすみんな

そんななか椅子いすすわり、ぼくつめるさきには........

友達ともだちたのしそーに談笑だんしょうする李乃りのさんがた。


ぼくまよった。こころなか李乃りのさんに昨日きのうのLINEのおれいおうと......でも身体からだうごかない。

ずかしい気持きもちと、緊張きんちょう気持きもちがざった感覚かんかく......おまけに女子じょしはなけるのが苦手にがて


女子じょしはなし自分じぶん想像そうぞうしてもしどろもどろになってはじをかいてわるのが容易ようい想像そうぞう出来できる。

でも感謝かんしゃねんくちつたえるべきとおもう.....ぼくけっして椅子いすからがり李乃りのさんのもとかう。



『あははーでねー...っ?どしたのー?』



李乃りのさんはぼくをじっとる。

うんだ...!と!うんだ...!



「あ...あぁ.....ありっ.......あっ.....」



ダメだ.....やっぱりえない.......あせって言葉ことばてこない.........



〖.....このひとって不登校ふとうこうだよね?りぃこのひとってる?〗


だれー?〉



きゅうぼく不思議ふしぎがるちがい、李乃りのさんはあかるく返事へんじをした。



たんだね!かった!元気げんきそうで!』


「.....え?」



ついなさけないこえた。

つづいてこうう。



勉強べんきょうでわかんないとことかあるー?私数学わたしすうがくはあまり得意とくいじゃないからおしえられないけど、ほかならおしえられるからいてね?笑

.......すこしづつでもさ、毎日まいにちれるようになろうね?わたし出来できるだけサポートするよ笑』



そうってわら李乃りのさんのかおぼくはなんだかひさしぶりな気持きもちだった。

ひさしくかんじていなかったこの感覚かんかく....感情かんじょう.....わすれていたこの感覚かんかくは.......そうだ———


───こいだ。

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