地位名誉全てを手にした男と何もない私
@meimei128
第1話 有名人なんてくそ喰らえ
《後に片想いする現在進行形で進む
私の恋の始まりからお話ししましょう。》
私はその頃上京してきたばかりで所持金ゼロスタートの全身プチプラ女でしたが、
元々キャバクラ上がりだった私は接客業は得意で、未だに1年ほど前から仲良しのお客様などが来てくれるので全身プチプラですが売り上げはあったため何とか東京のラウンジに採用を貰い働き始めました。
夏の終わり頃9月の後半にお客様として来ていた彼とそこで初めて出逢いました。
彼は良くラウンジに行く方みたいでしたが、私が働くお店には初めて来ていたみたいで、フリーのお客様でした。団体8人くらいで来ていて、そこで彼に1番初めに着いた女の子が私でした。
私は彼の隣に座った時からこの人ずっと私の顔見てくれないしイキっててムカつくなぁなんて思ってて金持ちだから有名人だからなんだよって思いながら話を聞いていました。
なんだか勘に触る男だなぁなんて思いながら
場内の声かけが入りました。私のお店は羽が女の子に渡され、その羽をお客様が瓶の中に入れる事で場内指名の合図なのですが、
◎ 指名の女の子が居ないお客様の事を「フリーのお客様」と呼びます。フリーのお客様がいらした時は、1セットの間(約40分〜1時間)に2名~4名の女の子が代わるがわる席に来て接客をします。
フリーで来店されたお客様が、回ってきた女の子の中で話が盛り上がったりして気に入ったキャストがいた場合その場で指名する=場内指名
団体のお客様だった事もあり、他の女の子にはまだ合図もかかっていなかったので、この人絶対私のこと気に入ってないし、全然話せてないし、ありがとうございますだけ言って立ち去ろうなんて思っていたら、私の膝の上にあった羽をそっと取り「何これー」と言いながら瓶の中にそっと入れてくれました。
そこに私は少しキュンとしてしまいました。
動揺で、なぜか普段お客様に緊張する事のない私がこんなにも気持ちが読めないお客様は初めてで緊張してしまい彼の足を2度ほどブーツで踏みつけてしまいました。
彼は閉店1時間前に来ていたので、その日はそこまで仲良くなる事もなく帰ってしまいました。
足も踏んでしまったし全然話せなかったし次はなさそうだなぁ。なんて思っていたら、業界では凄く有名な方のようで、先輩にあの人凄くお金持ってるからちゃんと営業頑張りなよと言われ。絶望気味に「はい」と答え
その日は家に帰りました。
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