第30話 邪神アドヴァン
国家反逆罪の罪で、
マイヨールの街、
ウェーダー邸から連行されるハサン一行。
ウェーダーによると、
弟であるカンデンブルグ国王は
邪神が乗り移っていると言う。
センダー国に到着して、早々に
広場にて処刑を言い渡される。
処刑方法は火刑である。
16世紀に魔女狩りで有名になった
あの生きたまま焼かれる火刑。
手足を縛られ、柱に括り付けられた
ハサン達はジンタンの縄抜けと、
アンチマジックフィールドの術者を廃した事で、急死に一生を得る。
黒幕はカンデンブルグ国王と詠んだ
ハサン達は、
衛門を突き破り、城に突入した。
しかし、待っていたのは
センダー国王の宰相マンデリン。
「王に仇なす不届き者、偽聖騎士ハサンよ。
テンプレートのような号令で、
マンデリンは兵士を焚き付ける。
セシアはすかさず、
召喚獣レオナルド熊を召喚し、兵へ襲わせる。
城門にいきなり、
熊のアヤカシが出てきたので、
兵士達は慌ておののき、隊列が崩れた。
その隙に、メイが
の魔法の印を組み詠唱する。
「ファイヤーストーーム!」
辺りは業火の炎に包まれ、
兵士は為すすべもの無く
火に焼かれる者は、下手に転がるものだから、
辺りの人や物に引火していくのであった。
そしてジンタンは慌てふためく兵士を
風のように始末していくのであった。
「ぐぬぬぬ」
悔しがるマンデリン。
その時、メイではない人物から
詠唱が聞こえる。
誰だ?この声はあいつか。
シローヌ。
ハサンはシローヌに目をやる。
シローヌは
やがて炎は沈下していく。
しばしの沈黙。
事態は小康状態になるかという、
その時口を開いたのはセシアだった。
「ハサン。こいつは人間じゃないよ。
ゲロ以下の臭いがプンプンするぜ!
アタイには分かるんだ」
と言ってのけると、
どこから持ってきたのかロウソクの蜀台を
マンデリンへ向けて蹴り飛ばした。
ハナナガ族のセシアは生来鼻が利く。
そして魔術の心得があるセシアは、
アヤカシとアヤカシ以外の臭いが区別出来るのだ。
そうか。カンデンブルグ国王の配下も
人間ではないのは当然予測できたことだが、
カンデンブルグを裏から操っていたのは、
この宰相マンデリンではないのか?
だが確証がない。
何か方法はないか?
あのドラゴンクエステトラでは、
鏡で魔物の正体を見破った。
ここは撤退して、その鏡のようなアイテムを
探さなくてはだめか?
ハサンは思考をくぐらす。
魔獣ヒババンゴこと元聖騎士シオリは叫ぶ。
「あんたが持ってる三鈷剣は飾りじゃないよ。
魔性を見抜く霊剣だ。
あいつに剣を
三鈷剣はお前の願いに応えるよ」
おお!三鈷剣!
よし!
「聖騎士ハサンが命ず!
我の前の仮初めの衣を剥がし、本性を暴け!
トホカミエミタメ、トホカミエミタメ」
三鈷剣は青白い光を帯び、
やがて大きな光となりマンデリンの姿を覆う。
すると、マンデリンの姿は
蝙蝠のような翼と、
タコのような頭と触手、
身体はドラゴンのような
出で立ちに、どんどん姿を変える。
ついには5メートルほども
巨大化していくのである。
「よくぞ見破った。此度のハサンは
少し違うな。シローヌ、貴様は従者をやれ。
我は聖騎士と召喚士の相手をする。
直ぐに死ぬると思うな。
百の肉片に引き裂いてやる。
だが、ハサン。お前は死なない。
召喚士ともども未来永劫苦しませてくれる。さあ、来い。お前に我が倒せるか。
我が名は邪神アドヴァン。
お前の返り血を美酒としようぞ」
マーラを揺るがす天魔決戦は
ここ王都では
始まろうとしていた。
次回へ続く
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