第10話 初めての毒体験
最近の子どもたちは、
ロールプレイングゲームやらないのかね?
うちの子供はもっぱら対戦ゲームか、
アクションゲームか、TPSをしている。
小学生からやっているゲームで、
クラフト要素もある『フォト騎士』は、
一時期大ハマリ。
ゲームを捨てようかとも考えたくらいだ。
我々の頃は、『ドラゴンクエステトラ3』
が発表されるや否や、
学校や会社を休んで
ゲームソフトを買いに行列に
並ぶ様がワイドショーで連日放送され、
社会現象にもなった。
寝る暇惜しんでゲームをして、
当時のゲーム機
『ファミリーコンコンチキ』
を何度も捨てられた。
血は巡るのか。
あまりにゲームするもんだから、
瞬く間に視力は悪くなった。
ついに、小学5年生から
メガネをするようになった。
ほんと、女子は残酷で小学4年生には
告白までされてモテ期だったのに、
メガネをかけてから相手にもされなくなった。
バレンタインのチョコ欲しさに、
同級生のサッちゃんに土下座を敢行して、
ギリギリチョコを貰ったのも良い思い出だ。
そんな訳で話が逸れたが、
ロールプレイングゲームの
基本はレベル上げにある。
大概旅の先にはボス級の強い魔物が出て
主人公の行く手を遮るもんだ。
私の武器は三鈷剣と剣から出る波動のみ。
魔法は使えないのか?
薬草やポーションの類はあるのか?
体力回復出来なかったらこの先死ぬよ。
そんな事を考えていたら、
コウモリ系のアヤカシ=バットンが
後ろから噛み付いてきた。
い、いて!
首の後ろから薄っすらと血が滲む。
三鈷剣を振りかざし、
波動スラッシュでバットンを切り裂いた。
アヤカシを倒すと魔石が落ちる。
そして、その魔石は両替商や
道具屋で売れるのだ。
私のレベルは、ようやく3になっていた。
ドラゴンクエステトラでは、
レベルが上がると
自動で魔法が覚えられるんだけど、
この世界ではどうなるんだろう?
セシアは、何属性の魔法を使えるの?
巫女だから回復系?
今まで一回もサポートされてないけど?
なんて考えてたら、
顔色がどんどん悪くなってきた。
こ、こりゃ毒だ。
バットンは毒を使うのか。
どんどん体力が削られていく。
セシアは毒消し草とか、
毒を消す魔法や薬を
持っているんだろうと思ったら、
なんとセシアは召喚と
金縛りしか魔法が使えないらしい。
お、おーい。死ぬぞ、死んじまうぞーー!
私は街道の真ん中で倒れた。
「聖騎士殿ー!」
バカか。道具用意し、しと……け。
私は意識を失った。
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