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さて。他にも着信がある。

元嫁の奈央なおだ。保育園の仕事前にでもかけたのか?

しょうがねーから、電話だ。


「あ…」


なんだその反応は。


「要件は?」


「…ど、どうして…急に離婚なんて…」


「仕事中じゃないのか」


「…今日は休みの日なので」


「ふーん。そう。離婚の理由は簡単。新しい嫁に乗り換えたいから」


「…なんで…急にそんなこと」


「あー、お前知らないのか?優は離婚したぞ?」


「え!?」


そんな驚くなよ。


「今は俺と住んでる。俺もなんか自由になりたくてな。さっさと離婚届記入して、提出してくれよ?俺が結婚できないだろ?」


「…ひどい、私のこと、ほっといて…」


「俺が他の女と遊ぶのが嫌だったんだろ?だから帰り遅いとかいちいち聞いてきたり。それもう気にしなくていいから楽だろ」


「…私のなにがいけなかったの?」


「言ってもいいのか?」


「…え」


「いくらでもあるけど」


「私だって…」


「は?不満あるならちょうどいいじゃん」


「そうじゃなくて!私と話し合いもしないで、そんな簡単に離婚なんて決めないで。私だって親がいるんです」


「あっそ。俺は親がいないから。わからない」


「…すみません」

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