踊り子人形

花楠彾生

第一幕

 純白のノースリーブワンピース。レースが多くあしらわれた美しいに身を包んだのは十八の娘。あどけなさと淑やかさを兼ね備えた彼女は、踊り子として名を馳せた。

 彼女の舞を見れば、涙が溢れて来ると言う。

 彼女の表情を見れば、一度ひとたび幸せにまみれると言う。

 彼女はまるで聖母の様であると、何処かの誰かが噂して居た。

 彼女の舞には不思議な力が宿っていると、そう噂する者まで居たのだった。


 ――これは百年の時を経て語り継がれる踊り子の物語。

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