意味なんてないさただの八つ当たりだよ

@akusa614

第1話:変わる時は突然でした。

雨が降っていた。だが、雨が降る音なんて他のプレイヤーの喚き声や怒りなどで全く聞こえない。怒りの矛先は俺とマスターたちだろう。だが、俺に怒りをぶつけることはしてこない。この世界では殺し、窃盗、レイプ、あらゆる犯罪が許される。そんな世界で生きたこともないこのガキどもにとっては俺はただの悪魔なのだろう。俺とチームなんて組みたくないだろう。それなら、好都合、これからも一人で生き残ってやる、そう思い、真っ青な部屋を出た。だが、一人俺に着いてきた。

ー7時間前ー

「鬼姫ちゃんおはよう、今日も可愛いね、昨日発売の雑誌買ったよ、超可愛かった。白いワンピースは鬼姫ちゃんのためにあるようなものだよ。」朝、学校へ登校していると、クラスメイトが話しかけてくれた。

「ありがとう、佳奈ちゃん、でもそこまで褒められたらかなり恥ずかしいからやめてね。」少し照れながら私はそう言った。

『寒波さんおはよう。』

「ええ、おはようございます。」

『寒波先輩おはようございます。』

「おはようございます。」

通り過ぎていく生徒たちは次々私に挨拶をしていく。私は芸能界では少しばかり有名で大体の生徒が私を知っている。だけど私のアンチの人は一定数いるが、特に気にしてなかった。なぜなら小さい頃から可愛いのは自覚があり、妬まれてしまうのは仕方が無いと割り切っているからだ。それに、アンチというのは好きを通り越してなってしまう場合もあるので気にするのはやめていた。だけど、この生きてきた15年間で私に興味を向けない人間は一人もいなかったのだがこの学校に入り、2年生になってから知った私に全く興味のない生徒が存在することを、その生徒はたまに家庭の事情などで一定期間学校を休むことがある。そのせいで、たまに軽くいじめられているが全く気にしてないし、いつもどこか上の空を見ていた。今日はその生徒は投稿しているようだ。私も可愛いが理由で虐められたことがあるのだが、やはり一人は辛かった。だから高校では誰とでも仲良くできるように謙虚に務めた。だけど、その生徒は努力もせず気にしないだけでいじめをスルーするだけで解決してしまう。そんなのが少し羨ましかった。

「おはよう傀儡君、今日は学校に来てたんだね。」私の隣の席だけど授業中私を見つめてくることはないのでかなり隣人としては良かった。

「あ、おはよう、えーと、寒波さん。」やはりだ、私の名前を辛うじて覚えてる程度だ、隣人としては良い人かもしれないが全く知られてないのはなんだか腹が立つ。

「おい、傀儡、寒波さんが話しかけてるのに、それだけかよ。」こっちに近寄ってきたのは恐らく私のことを好きなクラスの中心人物の土海君だった。土海君は確かに他の男子生徒よりかっこいいがなんだかあまり好きでは無い、理由はなんとなくとしか言いようがないのだが雰囲気が苦手だった。私自身も芸能活動で学校を休む日はあるのだがその日に傀儡君を虐めているという噂を聞く。私にとってはどうでもいいことなのかもしれないがいじめられたことのある私としてはやはりいじめる側の人間は好きにはなれなかった。かと言って、いじめられる側の傀儡君を好きという訳でもない。私に興味のない人間を私が好きになるはずもない。そんな当然のことを考えていると、先生がやってきた。土海君も席に着こうとしていたので私も席に座り、SHRが始まるのを待った。

「ごめんなさい、そしてありがとう」そう言い残し先生はひとつの缶を置いてクラスを去っていった。みんなが呆然としていた。私も何が起きたのか理解できなかった。

「やはり来たか……」傀儡くんは静まり返った教室で私にしか聞こえないくらいの小声で言いながらマスクとゴーグルをつけていた。みんなは傀儡君の行動に気づいていなかった。

「クラス委員の俺が先生に事情を聞いてくるよ。」

そこで土海君が先生を呼びに行こうと立ち上がった瞬間、缶が破裂してガスが漏れた。ガスから1番近い生徒が1人倒れ始めてからすぐにみんな倒れていき私も意識を失った。



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