もう一つの『0』
梅田 乙矢
0
僕は学生時代に“れい”と呼ばれていた。
数字の0という意味だ。
クラスメイト達は「れい、れい」と
いいながら僕を嘲笑していた。
いてもいなくてもいい人間。
“0”のように誰にも気づいてもらえない。
僕はいつも存在しない人間だった。
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