第13話 田村の悩み

田村は、5年前の悪夢を思い出していた。もし、あの事故さえなければ、自分の子供もあの少年と同じ年頃であったはずだ。 


しかし、その少年は今、白血病と闘っているのである。田村は当時の事故の件は、平田にだけ話をしていた。もちろん、他の選手は知るはずもなかった。ただ、その大地からの手紙をもらってから、田村は悩み、自分の愚かさを恥じた。今までの気持ちのままで、野球を続けることは、ファンの方々にとって失礼なことは明白である。

もちろん、球場へ足を運んでくれる人達は、お金を払って見に来てくれているのだ。中途半端な気持ちであれば、試合に出ないほうがましだと...

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