未来の記憶(仮)

勝利だギューちゃん

第1話

彼女が旅立った

そう・・・

二度と帰らぬ旅へ


運命とは酷。

何の前触れもなく、ぽっくりと逝った。


彼女と言っても、恋人の意味でなく、文字通り3人称の彼女。


クラスメイトの女の子ではあったが、接点はそれ以外にない。

会話らしい会話などは、殆どした記憶がない。


彼女は僕の事は、眼中になかったのだろう。

もっともそれは、僕だけでなく殆どのクラスメイトとは、会話がなかった。


ただ、いつも静かに本を読んでいた記憶がある。

文学少女なのか・・・


そういうイメージはあった。


通夜や葬儀では、泣いていているクラスメイトもいたが、社交辞令なのか、同情なのか・・・

心から、泣いている人はいなかったと思う。


そして、しばらくしたら何事もなかったかのように、日常へと戻る。

そういう物なのだ。


彼女の名前は、万田莉子

僕の名前は、稲田陸

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