行く宛ての無くなった美少女を保護したらナニカが始まる ~すこしえっちな毒島さんと二人ひとつ屋根の下で暮らすこと~

403μぐらむ

第1話 プロローグ

よろしくおねがいします!


 🏠


 築百有余年、昭和の初めに建築された洋館が僕――桒原誠彦くわはらまさひこの今の住まいだ。


 今冬最強の記録的な大雪の後にこの家にひとりで移り住んではや一月半ほど。


 めんどくさいながらも気ままな一人暮らしをする謳歌していたところについ先日からとある女の子が転がり込んできた。


 初めての一人暮らしのさなかに成り行きとは言え女の子、それもとびっきりの美少女と同居することになるなんていったい誰が想像できただろうか?




 🏠




 リビングからも見渡せる庭には植栽が多数あり、季節ごとの花々が咲き誇りテラスからの眺めも圧巻だ。春爛漫の今は、庭の隅にあるソメイヨシノも零桜をそよ風に舞わせている。




「うわぁ、桜が満開だね。ねぇ、ちょっとお庭でお花見しない?」


「ん? いいね。たしかレジャーシートが納戸にしまってあったと思うから出してくるよ」


「じゃあ私はお昼のお弁当を作るね」


「わざわざお弁当を作るのかい?」


「なんかそっちのほうが雰囲気出るじゃない? 誠彦さんはそういうのは嫌いかなぁ?」


「いいや、けっこう好きだよ。実家でも庭で花見の宴会をしていたぐらいだからね」


「ふふ。じゃあ腕によりをかけて美味しいのを作るね~」




 彼女との同居を初めて今日で早くも一週間が経つ。


 最初こそ右往左往することの連続だったけど、やっと少しずつ慣れてきた感じはしている。


 それもこれも女の子――毒島季里ぶすじまきりさんの適応能力とコミュニケーション能力が高かったおかげかもしれない。




 これは高校二年生の僕と後輩の美少女とのひとつ屋根の下での同居生活におけるドタバタ劇の一部始終だ。

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