推敲のススメ
涼森巳王(東堂薫)
第1話 まずは基本
推敲において大事なこと。
1、誤字脱字を訂正(誤変換含む)
2、変な言いまわしをなくす
3、言葉の重複を減らす
この三つが基本ですね。
そんなことくらいやってるよーというかたがほとんどでしょうが、誤字脱字って何回見ても、見れば見るだけ出てきますよねぇ。
以前、WEB投稿サイトを使ってないころ、僕はノートにシャープペンで下書きし、最後まで書きおわってからパソコンに打ちこんで清書していました。
で、章ごとなどの区切りで一回、打ちこんだものを読み、そこで一回、推敲。ここでは誤字脱字など、目立った間違いだけ、とりあえず直す。
さらに最後まで打ちおわったとき、冒頭からラストまで通して読みなおし、推敲。
もちろん、誤字脱字なども見直しますが、このときの推敲はかなり手をかけてました。忘れてた伏線の回収、つじつまのあわない内容を直し、全体の整合をとる、など大きめの改稿もします。
伏線なども「ここに入れるより、こっちのほうがいいな」って場所に段落ごと移動とか。パソコンはそういうの楽にできるから便利ですよね。読者に与える情報の順番とか。冒頭につめこみすぎると説明くさくなるので、うまいぐあいに散らせる場所を探したり。
あっ、これは基本の推敲というより、もう一歩ふみこんだ改稿になりますね。まあ、ここで作品全体を整えてから、いざ、プリントアウト。
で、プリントされたものをもう一回、頭から見て、さらに推敲。紙に印刷されると不思議と誤字がよく見える。モニタ上で万全と思っても、けっこう見つかります。
ここで仕上がりのはずなんだけど、何年後かに読みなおしたら、また誤字見つかるんですよね……。
さて、WEB投稿するようになって、過去作をネットにあげるため、現在、スマホでカクヨムのUIにちょくせつポチポチ打ちこんでます。パソコンが古すぎるため、ネットにつなげないんですよね。
なので、二度手間にはなるんだけど、ここで一ついいことが。一回打ったものをもう一度打ちなおすのは、けっこうめんどう。ゆえに、自分で「ここ、打ちたくないなぁ。めんどい」と思う部分は、思いきってカットしてます。作者がわずらわしいと感じる部分は、読者がそれを読むとき、もっとめんどいと思いますから。要するに、不用な描写なんですよね。そういうのを見きわめるのが容易になります。
なので、過去作をパソコンからそのままコピペしてる人は、一回見直してみるのもよきかと。
おやおや。基本の話をするはずだったのに、基本1、2、3をとばして、次の手順ばっかり説明してる。
ま、そんなぐあいに誤字は見ても見ても、どこからか湧いてでてきます。
で、ちょっとでも誤字を見つけやすくするためのコツ。まあ、間違えやすいとこを確認すると、見つけやすいわけで、スマホで打ちこむときによく起こる誤字です。パソコンのかたはごめんなさい。
スマホで打つってことは、フリックですよね。フリックでやりがちなミスです。
A、まずは、濁点ぬけ。
『で』が『て』になってたり、『ば』が『は』になっていたり。よく似た失敗で、小さい『っ』がそのまま大きな文字で『つ』になってる。濁点を打とうとして、あいだに『ま』が入ってしまってることも。
たとえば、『はまかにしないでください』というコレ。ほんとは『ばかにしないでください』と打ちたかった。濁点の位置が、スマホ上では『ま行』のすぐそばにあるため起こる失敗。
B、読点は『ら』に、句点は『り』または『を』に。
スマホのキーボードの並びのせいでしょうねぇ。さっきの『はまか』と原因は同じなんですが。
『すみませんがら道を教えてくださいり』
これは『すみませんが、道を教えてください。』と打ちたかった。これもよくあるミス。
なぜか、下の『を』がカギカッコ閉じになってることもある。要するにフリックミスです。急いでフリックするほどやりやすい。
C、誤変換。スマホでは第一変換候補を選びがちなので、自分の意図とは関係なく、いつのまにか間違ってるパターン。漢字の読みが同じ別単語になってることが多いため、なかなか気づきにくい誤字になる。
『訂正します』が『定性します』になってたり。こういうのが何年後かに見つかったりします。見つけにくいので、信用できるどなたかに「誤字見つけたら教えてね」と頼んでおくといいですね。
ちょっと前に近況ノートで、エクセルかなんかの機能で誤字報告があるって書いてた人いたなぁ。そういうの使える人は使いましょう。
グーグルさんに検索しに行ってみたら、エラーチェックツールというのがいくつか出てきた。最近はなんでもあって便利ですね。自分にあったものを見つけてもいいかも。
ここらへんまでは、自分が正しい日本語を知っててもやってしまうミスなので、慎重に読みなおせば見つかります。
あと、誤字見つけやすさには、文章の読みやすさも関係してるかなぁと思ったり。文章のなかに変なひっかかりがあると、たいてい、その前後のどこかで誤字脱字、または妙な言いまわし、用法の誤用がひそんでます。
もともとひねった修飾や漢字多用して読むのに時間がかかる文章だと、それじたいにひっかかりがあるので、誤ちも見つけにくいかなぁと。僕の文章はひらがなが多いため、誤字見つけやすいです。
で、ここまででやっと、基本1の説明おしまいですね。
次は基本2、変な言いまわし。これは日本語の誤用ですので、正しい日本語を本人がおぼえていくしかないです。たくさん本を読む。それもWEBではなく、純文学など紙の本。辞書も読む。言葉を気にしながら生きていくしかないですね。
ありがちな例で言えば、『ふんいき』を『ふいんき』だと思ってる人。正しくは、ふんいきですよと。そういうような根本的な間違いです。
そう言えば先日、近況ノートで誤字脱字の指摘をしてくる人に対して「指摘してる人じたいが間違ってることがあります。ほんとに誤字かどうかチェックしてから指摘してください」って書いてる人がいたなぁ。
そのさいに、「自分は同じ読みでも、意味によって漢字を使いわけてます」って書かれてたんですよね。具体的になんの漢字だったか覚えてないんですが、『測る』なのか、『図る』なのか、『計る』なのか、みたいな。まあ、『はかる』は意味によって変えてもいいと思いますが、あんまり漢字にこだわりすぎるのもどうかなと。
たとえば『見る』なのか『観る』なのか『視る』なのか。これは深い意味がないなら全部『見る』で統一したほうがいいでしょう。なぜなら、公募に送ったとき、表記ゆれととられかねないから。以前、短編アンソロジーに収録してもらったとき、お芝居を『観る』って書いたら、校正で赤が入って『見る』に直されました。
日本語の誤用とは違うかもですが、正しい用法とは? ってことで、ちょっと書いときました。その漢字に作品のなかで深い意味があるなら、特殊な使いかたをするのもいいと思います。
じゃ、次。基本3ですね。
言葉の重複をなくす。
今回、この『推敲のススメ』を書こうと思ったのは、じつはここから。
このところ、自分の過去作をスマホでポチポチ打ちこんでたんですが、原文にあまりにも重複が多くてひどかったので、「こういうのがダメな文章ですよ〜」と、例文にできるなと思ったからでした。
というわけで、次回から、例文つきの推敲方法です。
長くなったので、今日はここまで。続きは後日、近いうちに〜
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