闇に叫べ！ 17 白河殺人事件

第1話

　3人死亡

　硴塚龍臣　諜報機関レオンボス

　硴塚桜

　竜崎　レオンのスパイ

　嵐山　富豪

　菜奈　妖怪退治

　呂宋　マルス

　残間　マルス

　レッド吉田　我孫子教官

　ローワンアトキンソン　ピーン

　脇知弘　美唄

　小泉今日子

　研ナオコ

　相葉雅紀　森蘭丸

　倉田てつを　宇喜多　元印刷社員

　ガクト　鯏

　ギースハワード　沼津

　🔖我孫子教官

　　🔖パイプ＝関係者

　🔖カメレオンカー

🔖個撮を巡る殺人事件、地下室

🔖上田美由紀、ムショの中で窒息死

『ごくせん』などに出ていた脇知弘に似ている美唄（びばい）はD大学のロースクールを卒業し、弁護士資格を取得した。好待遇のオファーが複数あったにも拘わらず、美唄は使命感から福島県の白河で人権運動に携わることにした。同地で受刑者の人権擁護活動に励む我孫子（あびこ）の協力もあって、彼は小さな事務所を設立することができた。

「我孫子教官ってレッド吉田に似てますよね？」

「誰だよそれ？」

「ゴルゴ松本の相方ですよ」

「我孫子教官は阿鼻叫喚」

　阿鼻叫喚とは災害などにあって激しく泣きわめく様子。 「阿鼻」は仏教でいう八大地獄のひとつで、最も厳しいとされる阿鼻地獄のこと。 「叫喚」は泣き叫ぶことであるが、八大地獄のひとつでもある。

　宇喜多の悪夢👿

『ヒャッハッハッハ！』

『無能なおまえなんて、どうなったっていいんだよ！！』

　宇喜多は研ナオコに似た長宗我部、小泉今日子に似た山内の笑い声を思い出し眠れなくなった。長宗我部は印刷会社の社長、山内は専務だ。

　2013年12月、美唄の元にとんでもないニュースが飛び込んできた。ピーンという栃木県黒河市男性が長宗我部という白河市の女性を殺した容疑で死刑判決を受けたのだが、彼が犯人であることを示す証拠は一つとして存在しなかった。

「ピーンってローワン・アトキンソンに似てるんだ」と、我孫子。

「誰それ？」

「Mr.ビーン演じてた人」

　それにも拘わらず、検察側は誘導尋問などを駆使してピーンを犯人に仕立て上げたのである。しかも、司法当局は杜撰な裁判が行われたことに対して全く関心がなかった。憤慨した美唄はピーンの無実を必ずや証明すると心に誓い、その弁護を買って出た。当初、ピーンは「大学出のインテリ先生に差別の何が分かるというのか」などと頑なな態度を取るばかりであったが、美唄の奮闘ぶりを眺めているうちに、彼に心を開くようになった。

　こうして、美唄とピーン、我孫子の3人は司法制度の不備及び差別意識という難敵と闘っていくのだった。

　12月21日 - 東京都交通局、土曜日の午前1-5時台に、渋谷駅-六本木駅間で、路線バスとしては全国初となる「終夜バス」の試験運行を開始。

　菜奈は白河市にやって来た。

　古代に白河の関が置かれて以来、みちのくの玄関口として知られる。

　那須高原に面し、低地の白河盆地にかけて市街地及び農耕地が広がっている。夏涼しく、冬は寒冷であるものの市街地の積雪は少ない気象環境である。

　白河の関は、古代の日本における関所の1つ。奈良時代から平安時代にかけて、都から陸奥国に通じる東山道の要衝に設けられた関門として歴史上名高く、「みちのく（奥州。現代の東北地方）の玄関口」とされてきた。

　所在地は福島県白河市旗宿に比定されており、白川神社が祀られ、国の史跡に指定されている。当地は下野国（現：栃木県）と陸奥国（現：福島県など）との国境付近であり、現代でも関東地方と東北地方との境界となっている。

　白河の関より北に位置する東北地方（または北海道地方も）を「白河以北」「河北」と称することがある。

　鼠ヶ関（ねずがせき）・勿来関（なこのせき）とともに『奥州三関』の1つに数えられる。

　菜奈は兄の鯏（うぐい）を探しに福島にやって来た。

　鯏は白河の下流家庭で再婚相手の澄子（すみこ）と暮らしており、現在は街の不良として荒んだ生活を送っていた。鯏はどことなくガクトに似ており、澄子は綾瀬はるかに似ているので桜が変装しているんじゃ？と、菜奈は疑っていた。

　ある日、敵対する不良グループへの仕返しに彼らの車を盗んだところを逮捕されてしまった鯏は、幼い頃に手渡されたガシャポンを取り出し、キャップを外した。小さく折りたたまれた紙を開き、電話を掛ける。すると、間もなくして鯏は釈放された。

　不思議に思いながら警察署から出てきた鯏を待っていたのは、立派なオーダースーツに身を包んだ硴塚龍臣だった。鯏の経歴を知る龍臣は、命の恩人で勇敢な男だった貫之（つらゆき）の息子が、優れた知能や身体能力を持ちながら、それを活かせていない現状に苦言を呈し始める。境遇や環境が悪いと鯏が反論していると、そこに不良グループが現れて鯏に絡み出した。不良グループから暴言を浴びせられた龍臣は、「頭が悪い奴は嫌いなんだよ」と発言すると、華麗な戦闘技術で不良グループを撃退してしまう。驚いた鯏は、このことを一切口外しないと約束し、去っていく龍臣を見送った。

「どことなく海猿に似てるが、あれは映画だよな」と、鯏はつぶやいた。

　鯏が帰宅すると、門扉の前で不良グループのリーダーである沼津（ぬまづ）は激怒していた。『餓狼伝説』のギースハワードにどことなく似てる。

　彼は暴行によって鯏から龍臣の情報を聞き出そうとするが、鯏は約束通り口を噤む。密かに仕掛けた盗聴器でその様子を確認した龍臣は鯏に助け舟を出し、白河小峰城に来るように告げてきた。

　同市内には白川城址も存在するが、地元周辺でも古くから白河城と呼称されるものはこの白河小峰城を指す。国の史跡に指定されている。ほか、日本100名城の1つに含まれる。

　阿武隈川と谷津田川の間に位置する、小峰ヶ岡という丘陵にあった平山城である。東北地方では珍しい総石垣造りの城で、盛岡城、若松城と共に「東北三名城」の1つにも数えられている。本丸と二の丸の一部が残っており、周辺は城山公園として整備され、公園内には結城氏や阿部氏に関する資料を展示した「白河集古苑」がある。本丸帯廓の北側には白河バラ園があったが、東日本震災による本丸石垣崩落の復旧工事に伴い廃止となった。

　縄張りは梯郭式で、阿武隈川を背にした北端に本丸が位置し、本丸の南に二の丸、三の丸と広がっている。また本丸は周囲を帯廓（竹の丸）で囲んでいた。二の丸までは総石垣で固められていたが、三の丸からは一部が土塁となっていた。

　戊辰戦争でほとんどの建物が焼失し、城址には石垣が残るのみとなっていたが、1991年に本丸御三階櫓が木造により復元された。現在各地の城址で進められている、発掘調査や、図面、古写真等の資料に基づく木造による復元の嚆矢とされている。

　2011年（平成23年）3月11日に発生した東日本大震災により石垣等が崩壊したため、三重櫓も含め本丸は立入禁止となっていたはずだ。

　小峰城に辿り着いた鯏は、龍臣からどの国にも属さない中立の諜報機関『レオン』に勧誘され、その場で快諾する。機関の名前の由来は蒲生氏郷のクリスチャンネームからだ。

　白河小峰城は南北朝時代の興国元年/暦応3年（1340年）に結城親朝が小峰ヶ岡に築城して小峰城と名づけたのが始まりとされる。

　天正18年（1590年）、城主の白河結城氏が豊臣秀吉の奥州仕置により改易されるとこの地は会津領となり、蒲生氏、続いて上杉氏、再度蒲生氏が支配したが、寛永4年（1627年）に丹羽長重が10万石で棚倉城（福島県棚倉町）から移封されると、幕命により寛永6年（1629年）より城郭の大改築に着手、3年の歳月を費やして寛永9年（1632年）に完成した。

　その後丹羽氏、榊原氏、本多氏、奥平松平氏、越前松平氏、久松松平氏、阿部氏と7家21代の城主の交代があったが、慶応3年（1867年）に最後の阿部氏が棚倉藩に移封された後、白河藩は幕領となり城郭は二本松藩丹羽氏の預かるところとなる。

　翌慶応4年（1868年）、白河小峰城は戊辰戦争で奥羽越列藩同盟軍と新政府軍との激しい攻防の舞台となり、5月1日、大半を焼失し落城した（白河口の戦い）。

　2人は小峰城の地下深くから『レオン』の本部へと移動し、鯏を含む候補生から新たなスパイを選出する試験が始まった。他の候補生は誰もが上流階級の出身で、行われる試験は死者が出るほど過酷だったが、鯏は相棒として選んだ森蘭丸と共に試験を突破していく。数ヵ月後、最後まで勝ち抜いたのは鯏と、彼に対等な態度で接していた竜崎だった。

　その一方で鯏は、生還し普通に暮らす蘭丸に接触し、織田信長の死の真相を探ろうとしていた。しかし、蘭丸の首に埋め込まれていたチップが爆発し、蘭丸は死亡してしまう。龍臣も昏睡状態に陥ったがやがて回復し、蘭丸を殺した犯人が、元印刷社員の宇喜多の関係者だと知る。身分を偽って彼と食事をした龍臣はとある教会の情報を掴むが、スパイの関与を疑う宇喜多も龍臣を警戒していた。

　💀2人死亡　残り1人