第9話◉魔法
9話
◉魔法
椎名のカンは面前の3人にリーチ欲を与えた。新ドラもあるならリーチで裏を2枚見たい。鳴く方針は却下だ。と渡邉がまず打中。椎名の思惑通りである。
「ポン」
カンとポンを見せられたがリーチ欲がどうしても勝るため面前にこだわってしまう3人。鳴いていけばあっという間にテンパイできる手が来ているのにリーチにこだわってしまい手が遅くなる。
その間に椎名は手を進めて次第に形になっていく。
そして、マスターがテンパイ。
「リーチ」打③
「ロン!」
四五六④⑤88(中中中)(②②②②)
中のみだ。だが、こんな魔法のようなアガリは椎名にしか出来ない。速度で勝てるものはもちろん勝つし、速度が見込めないとなったら相手の速度を落とすための罠を仕掛けてなんとしても追い抜く。本来早くない手すら先にアガるとは並の先行型とはワケが違う。早くない時すらリスク覚悟の高等技術で追い越す、これは只者ではない。
「ーー韋駄天」と渡邉は呟いた。
「俊足のシーナとは言われてますけど」
「採用だ。君は今日からうちの社員だ」
「え?まだ終わってませんけど採用決まったんですか?」
「ああ、キミのような才能を逃す手はない。さあ、とりあえず採用は確定として、オーラスをやろうか」
「ありがとうございます!」
「おめでとう椎名さん」
「おめでとう」
オーラスはヤシロがツモってヤシロの勝ちだったが椎名は採用。
こうして渡邉クリエイター派遣会社に椎名良祐の名前が登録された。その通り名は『韋駄天のシーナ』
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