第3話◉創造的なゲーム

3話

◉創造的なゲーム


 今のバイトは稼げるけど、まあでもそれだけなんだ。やりがいはゼロだし、疲れるし、とても良い仕事とは言えない。当たり前だよなぼったくりの客引きなんて言い換えれば詐欺の片棒担ぐのと同じ。まあそのことにはその頃は気付いてもなかったんだけど。ちょっと想像力が足らなかったよな。悪さしてるって認識は無かったんだから。


 なのでいつも新しいバイトを探してた。そしたら何となく目に入ったバイトが『渡邉クリエイター派遣会社』名前はクリエイター派遣とか書いてあるのに仕事内容に麻雀ってあるのが印象的で目を引いた。きちんと読むとつまりは麻雀を打つ黒子の仕事をするってことみたいだ。ちなみに、おれは麻雀が大好きだ。最後には運任せなゲームでありながら戦略性の高さがすごいところがいい。学生時代はずっとゲームでやり込んだし、友達とやる時もあったけど、ハッキリ言って身内の中では最強だった。


 その、おれの好きな麻雀というゲームを決してギャンブルとか言ってなくて『麻雀は創造的なゲーム』として解釈しているということだろ?クリエイター派遣っていう名前は。そう言ってるんだろ?それがすごく気に入っておれは連絡を入れたんだ。


「お忙しいところすいません、私、椎名と申します。アルバイトの求人誌を見てご連絡させていただきました。担当者の方はいらっしゃいますか?」

「ご連絡ありがとうございます。私が担当者の渡邉です。では椎名様、さっそくですが明日など面接のご予定を入れて宜しいでしょうか?」




 明日、渡邉クリエイター派遣会社の面接を受けることが決まった。

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