モブオタクの異世界戦記 ~召喚されしモブオタ~

五三竜

プロローグ

 朝起きてご飯を食べ準備をしてから学校へ行く。学校に行けば授業をして合間時間に漫画を読む。これが僕の日常だ。でも僕はそんな日常に飽き飽きしていた。


「今日もいつも通りだなぁ」


 僕はそう呟く。


「何がいつも通りなの?」


 突然後ろから女の子に声をかけられた。だが、僕はもう慣れている。だっていつも通りだから。


「いやさ、今日もいつもと同じだなって思ってさ。授業を受けて、漫画を読んで、君と話す」


「それがいつも通りだって言うの?良いじゃない。いつも通りが1番よ。あ!あと、また君って言ったよね!ちゃんと名前で呼んでよ!」


 その子はそう言って頬をふくらませて怒る。これもいつも通りだ。初めは何日連続で怒らせることが出来るか試そうと思ったが、1週間で飽きた。


「本当にもう嫌だ。なんか全てのことが飽きてきたような気がする。ねぇ、胸揉ませてよ。いつもと違うことがやりたいんだ」


「は、はぁ!?な、何言ってんのよ!」


 女の子は叫ぶ。そして、周りをチラチラ確認すると耳元で言った。


「少しだけなら良いよ……」


「え?マジ?やった!」


 そう言って僕は胸を揉む。だが、そこで気がついた。


「そう言えば、これ毎日やってね?」


「……言われてみればそうだね……」


 それを知った途端揉む気がしなくなった……訳では無いが落胆する。


「は〜い!皆席について!授業を始めるよ!」


 そう言って先生が教室に入ってきた。だが、これもいつも通り。先生は毎度同じことを言って入ってくる。そして、皆席に着いた。


「今日も同じこと言ってるね」


 後ろから話しかけられた。女の子は後ろの席なので毎授業話しかけてくる。


「あれしか言うことがないんだろ」


「うふふ。そうだね」


 女の子は楽しそうに笑う。どうやら僕が毎日いつも通りと言っているのが楽しくなったらしい。授業が始まると、クラスの陽キャの人達が発表をしまくる。僕は陰キャなので手をあげても気づかれない。だからあげない。気づかれた時にはもう終わりの時間だった。


「はぁ、またいつも通りこの時間に終わるのかぁ……」


 そんなことを呟いた時、そのいつも通りは壊された。


「な、なんだこれ!?」


「キャアッ!変なのが浮かび上がってきた!」


「っ!?皆さん!今すぐ逃げてください!」


 突然皆が騒ぎ出した。下を見ると、魔法陣のようなものが浮かんでいる。


「何だこれ!?これはマズイぞ!起きて!てか授業中に寝るな!」


 僕はそう言って、後ろで居眠りをしていた女の子を起こす。女の子は起きると直ぐに異変に気づき、僕に飛びついてきた。


「な、な、な、何が起こってるの!?」


「分からない。でも、これは危険な気が・・・っ!?」


 その魔法陣は突如光を放ち教室を覆った。光で前が見えなくなる。しばらくの間、クラスの皆はその場に動けなくなってしまった。


そして、光はすぐにおさまった。だが、皆目が眩んで中々開けられない。僕はうっすらと開けた目で驚きの光景を目にした。


「……ここは……どこ?」

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