第二十七話 当たり洞窟 一つ目の豪華な宝箱は

 敵を排除すると、すぐ周囲を警戒して宝箱を探し始める。

 すると……前回の洞窟と同様、宝箱は地面に埋まっていた。


 掘り起こすと、見事な装飾の宝箱で、かなりの重量だ。

 これを持って帰るのは無理だな。パモもいないし。

 メルザはとても興味津々な顔で「早くあけようぜ!」と言っている。

 罠があるかもしれないから一応アナライズしてみる。



 赤雷の宝箱(大)


 高確率で良い物が入っている宝箱

 それなりの価値のあるものが発見できる珍しい宝箱で罠などはない 

 当たりの箱に分類される



 ほう、このタイプは罠がないのか。これなら安心して開けれるな。


「メルザ、罠はないみたいだから今回はメルザが開けてみな」

「いいのか? 俺様こういうの開けるの好きなんだよな!」


 メルザはとても嬉しそうだ。わかるぞ。新しいカードを開けたり

ガチャで何がでるかわからないドキドキ感はあついよな。

 メルザが箱を開けて「わぁー」と言いながら、目をキラキラさせている。

 女の子がショーウィンドウみてキラキラさせてるシーンに似てるな。


「ルイン、綺麗な赤色の杖が入ってる! もらっていいか?」

「あぁ、もちろんだ。中から取り出す前に、アナライズしていいか?」

「あぁ! どんな効果があるのか俺様にはわからねーしよ。頼む!」


 俺は箱の中身ごとアナライズしてみた。



 紅き万物の杖(燃臥斗III付与 燃斗IV付与 燃円I付与) 

【モアユニークウェポン】


 対象の燃斗効果を大きく引き上げる杖

 また深い知を得るとされる

 賢者ミーミルが自らの泉の水で清めながらつくられたとされる二つとない一品

 扱い方が悪いと壊れる可能性がある



 疾風の靴 (風速斗II付与 風斗I付与 身体強化速II付与 耐衝撃II付与)

【ユニークアイテム】

 

 身に着けたものに驚異的な身軽さを与える靴

 履いた物者は履いていることすら忘れてしまう程

 伝説のモンスターがその羽を用いてつくられたとされる

 滅多にお目にかかれない一品

 扱い方が悪いと壊れることがある



 リングオブガード(対斬撃II 対衝撃II)【セミユニークアイテム】


 身に着けた者を斬撃と衝撃から守る不思議な指輪

 プロテクトリングとも呼ばれ多少は出回っているが

 使われている金属があまり産出できないため貴重

 扱い方が悪いと壊れる可能性がある



 アップルシード【セミマジックアイテム】

 りんごの種

 植えると一年程で実がなる木となる

 ありえないほどの成長性を持つ種



 幻薬(中)


 対象をわずかに癒すが効果は中くらい

 使用すると無くなる



 幻雷撃士のカード 中級


 この紙を持ち念じながら燃やすと

 幻雷撃士としての戦い方を身体に覚えさせる事ができる

 対象一人にしか効果がなく、燃やすことで無くなる



 ……以上のものが入っていた。まさか職業カードまで入っているとは。

 しかも、モアユニークは初めて見るな。かなり価値が高そうだ。

 メルザの赤薔薇にもよくあうし、いい感じだ。


「俺は疾風の靴をもらおうかな。リングとカードはカカシがいいんじゃないか?」

「わし、職業もてるのかのう? 指輪ははめれないぞい」


 そういうとカカシは手をみせる。 

 すまん……気付かなかった。


「わしはいいから主につけてやってくれ。主あってこそじゃしのぅ」

 

 俺はメルザの下へ行き、指輪を箱から取り出す。

 あれ? メルザの顔が真っ赤だな。熱でもあるのか? 

 俺はメルザの手をとり人差し指から順番にはめていく。

 かなり小さい指輪だ。小指でちょうどいいか……はまった。

 小指でぴったりだ。メルザの小指サイズなら、殆どの奴がつけれないんじゃないか? 

 ……残りのアイテムを回収して腰のポーチに入れた。


 メルザが膝から崩れ落ちている。

 どうしたのか尋ねても「なんでもねーよバーカバーカ」と言っている。

 なんでもないならまぁいいか。

 このアップルシードは食い物じゃないんだ。

 ……植えればきっと美味しい実がなるからこれで機嫌を直せ。


 俺は靴を履き替える。

 流石にユニークアイテムなだけあって靴のサイズはぴったりに変わった。

 これは便利だな……。

 すごい軽いうえ、風斗まで使えるとは有り難い。

 しかもユニークアイテムだからか、使用制限もない。

 これならかなり動き回りやすそうだ。


 入っていたらいいなーと思うものはなかったが、次の宝箱に期待しよう。

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