リア充である俺が追いかける一輪のバラ

作家目指すもの

第1話

「付き合ってください修くん」


「ごめんな俺には好きな人がいるんだ」


そういうと少女はとぼとぼと体育館裏を後にした。今ので分かった通り俺はモテル。それ毎週告白してくるレベルで。だが俺には好きな人がいるから毎回断っているんだが。ちなみに俺の名前は長崎修だ。リア充がでてくるなだって?努力すればある程度はモテルようにはなるぞ。だから嫉妬しないで自分を磨け。


「隠れても分かってるぞ鈴」


「にゃはは。ばれてたか」


こいつは幼馴染みの鈴だ。俺がリア充になる前から俺に絡んできていた変わり者だ。最初から俺はリア充だった訳じゃない。陰キャだった俺は華さんに一目惚れをして、色いと努力をしたのだ。まぁこの話しはいつかしよう。


「そりゃ何年一緒にいたと思ってるんだよ。気配で分かるわ」


「それにしても大変だにゃ。毎回せっかくの部活のオフに毎回告白されるから早く家に帰れなくてにゃ」


「それはお前もだろう。なんで毎回告白の現場にいるの?ストーカー?」


鈴は毎回告白を除き見てるのだ覗き見てるるのだ。結果は分かってるくせに。もはや覗きが趣味飲んじゃないかと疑うレベル。


「そりゃ毎回告白する場所が体育館裏か屋上なんだから分かるにゃ。あと覗きを趣味にゃ」


やっぱり趣味かよ。人が告白して振られるところを見てるって悪趣味だな。かくいう鈴も見た目は美少女だからよくモテル。二人でいると美男美女と噂していて付き合ってるんじゃないかとまでいわれている。だから好きな人は鈴じゃないかと言われている。


「はぁーその趣味は悪趣味だぞ。それで鈴も今日告白されるんじゃなかったのか?」


「それは近くの公園で時間は夕方だから大丈夫にゃ」


「それじゃ帰るか。どこかよるところでもあるか?」


「タピオカが飲みたいにゃ」


流行ってるよなタピオカ。インスタ映えするから流行ってるらしいが。味は女子な誘われてめちゃくちゃ飲んだから飽きるレベルだ。鈴は嵌まったらしいが。唯一抹茶味なら飽きてないからそれを飲もう。


「それじゃーイトーヨーカドーで飲むか」


「さすがリア充の代表格と言われてるだけはあるにゃ。タピオカと聞いてどこにあるか把握してるなんてにゃ」


「誰だよそんなこと言い始めたやつ。ただでさえ光陽の貴公子なんて痛い二つ名をつけられたのに」


はぁーリア充もそれそれで大変だ。女子に気を遣わなきゃいけないし行動を制限されるし、男には嫉妬されて嫌みを言われるし、同姓の友達はあまり多くないし。


「それじゃ行くにゃ」


俺達は駐輪場に行き、自転車に乗ってイトヨーカードに来た。駐輪場に自転車を置いて、なかにはいると女子高生から視線を感じる。逆ナンはされないだろうが。鈴が近くにいるからな。鈴と勝負できるくらいのルックスのやつは早々いない。


そしてタピオカの列に視線を感じながら並んだ。やっぱ女子高生にタピオカは好まれている分視線が多い。なかにはカップルで来ているやつが鈴の胸をみて鼻を伸ばしてるやつもいるがそいつらは彼女に蹴られている。彼女がいるのに他の女子に鼻を伸ばすなよ。俺も華さん以外には興味を持ったことないぞ。


そして順番が回ってきたのでタピオカを買い、近くのベンチで飲み始める。うむ、やっぱり抹茶味は何回飲んでも美味しいな。将来的に茶畑を耕すのもいいかもしれない。会社で働きたくないからな。それにうまくいけばかなり稼げる。


「うーん美味しいにゃ」


「ほぼ休日色々な味のタピオカを飲んでいるが好きな味はないのか?」


「どれも美味しいのにゃ」


鈴が美味しそうに飲んでいると、インスタに投稿したらバズりそうだなと思う。インフレンサーとか向いているんじゃね。モデルもやっているし。普段は献身的な野球部のマネージャをやっているが、モデルとしてもそれなりに忙しいから休むこともよくある。だが他のマネージャーからは鈴の人懐っこさもあり嫉妬をあまりされない。


「飲み終わったし行くか」


「そうだにゃ、でもこの後告白する場所に行くのが億劫にゃ。相手はあまり評判がよくないしにゃ。物陰から見ててくれないかにゃ」


つまり俺に鈴がよくやっていることをやっててことか。まぁ心配だからいいが。一応武術は習っているから無理やり襲おうとしたときや複数人いても対応はできるし。さすがにナイフは持っていないだろうし大丈夫だろう。


「いいぞ、俺がでなければいいが」


俺達は駐輪場にいって自転車に乗ったあと自転車をこいで家に帰った。ちなみに俺と鈴は隣同士だ。家に帰ると既に妹の香緒里が帰っていた。台所に行くと香緒里が勉強をしていた。


「あ、お帰りお兄様」


香緒里はアイドルをやっているから美少女だ。あんまり売れてないが。地下アイドルってやつだ。だが最近活動したばっかで可愛い子が多いので売れる可能性は高い。


「ただいま。あんまり無茶するなよ」


「勉強しないと進学校だからついていけなくなっちゃうから暇なときに勉強しないと。まぁでも体調管理はしてるから大丈夫だよ」


「それならいいが俺はちょっとコンビニ行ってくるわ。なにか買って来て欲しいものはあるか?」


「チョコを買ってきて欲しいなー」


「分かったそれじゃー行ってくる」


俺はリュックから財布と携帯だけとりだし、玄関に行き靴を履き、外に出た。たまには徒歩で行くのもいいか。俺は歩いてコンビニに向かった。コンビニにつくと、チョコを選んでお菓子をなにを買うか迷っていると、肩を叩かれた。


「奇遇だね長崎くん」


俺の好きな人の華さんが微笑みながら立っていた。今日は幸運な日だ。












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