第4編 首輪
小さい時は気づかなかった
首輪が付いていることも
みんなには付いていないことも
体が大きくなっても
小さい首輪は変わらなくて
気づかないうちに
息の根を止めようとしている
自分の首にまとわりつく首輪は
自分では見えなくて
誰も気づかなくて
外し方すらわからない
もし首輪がもっと小さくなったら
体がもっと大きくなったら
わたしは息ができなくなる
息ができなくなるのに
なすすべもなく生きている
金具を外したくて
金具がダメなら首輪自体を壊したくて
叩き壊そうともがいてみても
いつも傷つくのはわたしだけ
金具の鍵は見つからない
鍵穴も見つからない
何もできずにただ
死んでいく
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