エッセンス・エッセイ「vol.3 妖‐あやかし‐ 一族」

 公開済み過去作の『あとがき』を、あらためて書く企画・【エッセンス・エッセイ】です。

 vol.1とvol.2は前作の短編集にありますので、気になればどうぞ。今回はvol.3です。



「妖‐あやかし‐ 一族」

https://kakuyomu.jp/works/16816452218859390486



 前作の「このマッド~」と同時期に書いていました。なので会話のノリや、主要メインキャラにスポットを当てて掘り下げていく構成が同じだと思います。ただし題材は真逆。

「このマッド~」が『科学/発明品』だったのに対し、こっちは『妖怪/オカルト』です。


 タイトルにもあります『あやかし』がメインですが、これを題材にしてはいても、テーマではありません。当時はそこまで妖怪側を深く掘って書いてはいなかったんですよね……。


 メジャーな妖怪を、先入観のみで登場させて書いていた……、いま同じものを書くとしたら、ちゃんと『妖怪側』のことも調べておかないと不安になります。


 たとえ調べても、知った『知識』の通りに書くとは限りませんが、『知らずに見当違い』より『知ってて外している』方が気が楽です。

 面白いと思えば大きな嘘も混ぜる。これが悪いことだとは思いませんし。



 テーマは「家族」、「姉と妹」です。


「このマッド~」がクラスメイトや学園を扱っていたので、違う方向へ舵を切りました。

 当時は気にしていませんでしたが、姉二人、妹二人をメインキャラにするのは珍しいのかも?

 とか言いながら、第一話はクラスメイトのお話なんですけど……。


 クラスメイトを通して、主人公と妖怪のお話のスタートを切って、第二話で上の妹にスポットライトを当てて掘り下げてみました。


 上の妹を掘り下げたら、じゃあ下の妹を放置しておくわけにもいかず……となれば、下の姉と上の姉も掘り下げないと……——と。

 お話が膨らんでいって、気づけば姉妹全員分を書いていました。

 合計で二十万字ほど。でも六話(中編)も書いているにしては短いのかも。


 ちなみに、第二話には少しマイナー(?)な妖怪を挟んでいます。「頭の中で妖怪を思い浮かべてみて!」と言われて、まず『虎狼狸ころうり』が出ることはないのでは?

『雪女』や『ぬらりひょん』などが浮かびそうなものです。


 雪女を書いて虎狼狸を出すあたりは、今とそう変わらない思考回路だったのでしょうね。


 ついてきてくれた読者をちょっと突き離してみたい――なんてところでしょうか。



 また、ちなみに。


「アヤカシ通信録:ch雪女」

 https://kakuyomu.jp/works/16816700426402045597


 この作品は「妖一族」のリメイクのつもりで書きました。

 KACのお題に流用した形なので、純粋なリメイクというわけではありませんが、まあ、あらためて書くならこう書くよね、という結果です。


 ヒロイン・柊の中に雪女がいるというギミックは、「妖一族」の主人公と同じです。主人公の中に大妖怪・孫悟空がいるという特異性――、

 元の作品で、主人公でやったことをヒロインでやってみたらどうなるの? ――その手応えは、リメイク版では確かに感じることができました。


 一つの体に二つの人格は、やっぱりドラマが作りやすいから?

 

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