アラフォー腐女子は異世界で腐男子になります…か?
ヘタコグサ
プロローグ それはお決まりの始まりで…
目を開けると白い石膏ボードの天井が見える。意識はあるけど体を動かす事は出来ない…
『そっか…私、死ぬのか…』
私は自分に何が起こったのかをよく理解出来ないまま、自分の死を意識していた。体は全く動かないし、感覚もない。ここは…おそらく病院…誰かが話しかけている気がするけど、よく聞こえず、ただ自分の意識だけをぼんやりと感じる。
『…。異世界に転生とか…まさかしたりしないかなぁ…神さまが現れたりして…』
39歳独身オタク(そして腐女子でもある)なので、死に際にこんな事を考えたりしてしまう…。まぁ現実には漫画や小説みたいな都合のいい転生なんて、土台無理なんだろうけど。あ、そういえば今ハマってる異世界転生BLでは、転生したら超イケメンになってて、転生先では可愛い系の受けにグイグイ迫ってたなぁ…。
私、リアルでは恋愛も仕事もほんと散々だったけど、結婚直前破談した時にテレビ付けっ放しでボーッとしてたら、深夜アニメに出会って…その面白さにハマって救われて、さらにBLに出会ってからは、どっぷりズブズブにこの世界に浸かりまくって、毎日幸せな妄想もしまくって…
『…。ほんと幸せだったなぁ…(推しの幸せを見守るのが)』
もし生まれ変わったら、今度はどうなるんだろう…もし人間に生まれ変われるなら…きっとまた大好きになって浸りまくるんだろうなぁ…。って、なんだか意識が少しずつ遠くなって来た。そろそろ私の命が尽きるってことかな…。
-「へぇ〜、そんなに好きなら…次は○○○○?」
『…⁉︎』
いきなり何か声が聞こえた。なんだろう?まるで仲のいい友達に話しかけるような馴れ馴れしい話し方で、頭に直接響いたその声は、残念な事に薄れゆく意識の中で最後まで聞き取る事は出来なかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。