第4話 私の好きなお薬は?

私は薬をたくさん服用している。もちろん種類もだが飲む量もである。

毎日10錠以上を服用するところを、彼氏が見て「夕飯じゃん、もうその量は。」と毎回某鳥のノブさんのように癖強く突っ込みを入れてくる。


薬なんて飲まなくていいのであれば飲まない方がいい。なぜなら行動に制限がかかるから。

そんな中で私は病院に通うたびに、処方される薬の量が増える。


「う~~~ん?」


私は彼の車の中で悩みに悩んだ。

彼は安全運転しながら私に対して質問を投げかけた。


「なぎちゃん、どうしたの?」


「お酒をこれから飲めないかもしれない。」


「どういうこと?」


「あのね、薬が~(以下略)」


彼はゆっくりゆっくり丁寧にブレーキを踏みながら答えた。


「一生その量なの?お薬は。」


「ううん、状況によっては減る。」


「その状況って何?」


「気持ちが落ち着いたり、しっかり眠ることができるようになったらかな。」


私は、そんな日が来るのだろうかと少し悲しくなり窓の外を見ていた。


「減るんじゃない?ってか無理して減らす必要ないんじゃない?」


どういうことなのだろうか、そう思いながら彼の顔を見ると彼は少し照れながら説明してくれた。


「なぎちゃんは生きるだけで頑張っているんじゃん?無理して薬減らすと悪くなるのなら、俺は減らすのは違うのかなと。」


「うん?」


「まずは、減らすことができる状況にまでならなくても、少しでいいから気持ちを楽にできるような時を増やせたらいいよね。」


「難しい。」


「だから俺がいるんじゃん。俺にも手伝わせてよ。」


それは申し訳ないなあ、そう思いながら窓の外をまた眺めると彼はまたゆっくりブレーキをかけた。


ウインカーを出して車をゆっくり停めたのはコンビニだった。


「こんな大切な話は、運転中にはできないから停めた。気にせず話そう?」


私は涙が止まらずに、ほっぺに雨が伝った。


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