異論は認める。責任は取らない。
ネオ・ブリザード
異論は認める。責任は取らない。
いせかーい、異世界のことでした。
ある洞窟に、囚われの姫がおりました。
このお姫様は近くの大国に住む王子様と婚約を結び、幸せな毎日を過ごしていましたが、結婚式を上げる半年前、突然王子様の住むお城に緑龍がやって来て、難なくお姫様をさらって行きました。
その時から、お姫様の囚われ生活が始まりました。
「……ああ、また誰も来なかった」
洞窟内の牢獄の中でふう……とため息をつくお姫様。牢獄の鉄柵部分を両手で掴みます。
「あれからどのくらい経ったのかしら? ここにいると、時間の感覚が解らないわ」
光が射し込まない洞窟内部は、何時夜になるのかが判らないため、お姫様は眠くなったら寝る。という不規則な生活を強いられていました。
「今日も、何も無い1日だったわね……。本当に1日経っているかどうか判らないけど」
お姫様がそう言い、鉄柵に背を向けようとした、その時でした。
お姫様の目の前が仄かに明るくなります。
「何かしら? あれ……」
お姫様がそう呟いた次の瞬間でした。
「きゃあ!? なに!? 何が起きたの!?」
突如、牢獄の中で耳を塞いでしゃがみこむお姫様。洞窟全体に緑龍の悲鳴が響き渡ったのです。
そして……お姫様のいる牢獄に向かって、足音が近づいて来ます。
「……え? 何……? 何が近づいて来るの……?」
牢獄の中で恐れることしか出来ないお姫様。ただ、ただ……頭を抱え込むようにうつ伏せてしまいます。
そして遂に、足音は牢獄の前で止まりました。
「……様」
「……え?」
「大丈夫ですか? 姫様。迎えに来ました。」
それは、お姫様が自国のお城に住んでいた時に、お姫様をお守りする為仕えていた騎士隊長でした。お姫様は、うつ伏せていた顔を上げ、驚きの表情で騎士隊長に話しかけます。
「騎士隊長様!!」
「……姫様。救助が遅れたこと、深くお詫び申し上げます」
騎士隊長に飛び付く様に鉄柵を掴むお姫様。
「騎士隊長様! 緑龍は!? 番人として緑龍がいたはずですけど、大丈夫だったんですか!?」
「安心して下さい、姫様。もう緑龍はいませんよ。」
それを聞いたお姫様は鉄柵を掴みながら、崩れるようにしゃがみ込みます。
「……ああ……信じられない……また生きて牢の外に……洞窟の外に出られるなんて!! これも全て、騎士隊長様のお陰だわ!」
まるで、夢を見てるかの様に身体を震わせるお姫様。騎士隊長はそのお姫様の姿を、仁王立ちでじっと見つめ続けます。
「そ……そうだわ!」
突如、騎士隊長の胸元に飛び込む様に、牢獄の鉄柵にしがみつくお姫様。
「お父様は……お城のみんなはどうしてるの!? 王子様との結婚を間近に控えた大事な時に、こんな事になって……お城のみんなにどれだけ迷惑をかけてしまったか……」
「……姫様。その事で、とても大事なお話が……」
こんな時でも、お城の事を第一に考えるお姫様。ですが、騎士隊長はそんなお姫様に、外界の厳しい現実を突きつけます。
「………………貴女は、既に婚約破棄されております」
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「姫様、これからは、ふたりで幸せに暮らして行きましょう!!」
「騎士隊長様……!」
――めでたし、めでたし――
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逃げろ〜♪
ヽ❆(❅▽❅ )❆ノ三三三3
異論は認める。責任は取らない。 ネオ・ブリザード @Neo-blizzard
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