魔女の証明

氷見山流々

独白

 この世界で誰よりも自由を求めていたのはマーニだろう。脆弱で小さい肉体とは反対に、彼女の心は強く、大きく、熱い希望の火を灯していた。煌々と輝くその瞳の真意に、どれだけの人間が気付いているのだろう。彼女の表面だけを朧気に見て、単純に憐れむばかりで、その奥に滾る真実の姿に辿り着けていないのではないだろうか。


 マーニは殻を割れずに藻掻いているのだ。いつか飛び立つことを夢見て、柔い嘴で必死に殻を突いている。それに気付いているのは僕だけなのかもしれない。


 だから、僕が助けてあげなければならない。マーニがいつか、その殻を砕いて空へと飛びたてるように、僕はずっと、マーニの傍にいよう。

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