その2、兆候

葬式が無事に終わった次の日の夜、熱が出た。

ついに俺もかと不安になり、県が案内する受信・相談センターに電話する。

いくつか質問された結果、例の病気の可能性は低く、

救急搬送の必要性が無いと判断された。

とりあえず数日自宅で安静にして、

問題があったら地元の医療機関を受診して欲しいとのことだった。


ただでさえ、家には病気で息子を亡くしたばかりの姉がいる。

俺は他の家族に病気をうつさないように、自室に引きこもって寝ていた。

次の日、母ちゃんに食事を持ってきてもらう。

そのとき、おかしなことを言われたんだ。

同居している姉の娘が、夜中に俺が大声で何かを唄っているのを聞いたという。

娘が、そして姉自身も不安なので止めて欲しいとのこと。

何を言っているんだ、

俺はそんなことをしていない。

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