司書室にて

此瀬 朔真

司書のマルジナリア/1

マルジナリア、というのは本の余白に書き込まれたメモ、落書き、感想のことです。

保管されている「記録」に書き込みを行うことはありえないので、おそらく私物の本に何かを書いているのでしょう。

#司書のマルジナリア

#月浜定点観測所

午後6:42 · 2023年1月7日

https://twitter.com/KonoseSakuma/status/1611659467829178369





「さびしさを無視するからこうなる」


「偶然よ、私を放っておいてくれ」


「素直さは美徳であるか」


「夏の書庫は棺桶に似る」


「人間の善性を信じろ ただし期待するな」


「大抵の悪夢はロマンチックである(傍線、「ロマンチックな悪夢のように」)」


「アルコール程度で漏らす本音になど価値はない」


「いいこともわるいこともしたいが お前とだけは絶対にいやだ」


「参照:書架B3278754号775番38冊第5章」


「邪悪を志すな どんなときも」


「回文に見えるが違う」


「汀に立つこと。朝を待ち望むこと。」


「昼飯のボキャブラリーが少ない」


「瓢箪から駒 予言の自己成就 口は禍の元」


「無知は不安を生む 不安は金になる」


「上品に喧嘩をする方法 洗練された仕草で相手の牙を抜く方法」


「言葉を重ねるほどに飢えていくもの」


「この臆病者め(恋は罪悪、というフレーズに傍線)」


「勇気を輸出する国」


「(「行動がやる気を生む」という一文に二重の傍線)」


「悲しい昼食を取りたくなければ水を半カップ減らすこと」

――料理本、野菜スープのページ


「罵倒にも作法がある」


「小説を書くことはそもそも暴力だ」


「現実を吸い、幻想を吐く」


「むしろ思うところしかない」


「可哀想という感情そのものが暴力であること」


「自分から遠く離れたものに心を向ける仕草(「祈り」に傍線)」


「雑踏≫春風≧石綿

肺に悪い順」


「発狂するなら本屋がいい」


「春風も肺に悪い 石綿みたいに」


「時間は唯一の薬である(傍線)←嘘。完全なる嘘」


「偽善者で結構 何も望みを持てないよりは」


「満たされれば歩けなくなる 欠乏すれば眠れなくなる」


「船は蛇行する、この雨も風も私のなかから降り吹くものだとわかっている。小さな羅針盤を握り締める」


「夢は現実を如実に映す→夢は現実の濃縮液、猛毒

なのに人が浸るのはなぜ?」


「言葉が勝手に歩き出す瞬間があるとしたら、晴れた真昼かもしれないし、深夜の駅前かもしれないし、どちらにしろ引き留めもせず眺めていることだろう。始まったものは続かなければいけない、いつか終わるまで」

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