獄炎の王~異世界転生したので無双する

@Fish051402564

第1話

  夕焼けが広がる空の下、誰もいないのをいいことに自転車のベルを最近よく聞いている音楽のリズムに合わせて鳴らしながら帰宅する。


 「はぁ~今日も疲れた。さて家に帰って何するかな~?」


 毎日学校に行き、友人達と他愛のない話をし、授業が終わると部活の練習をして家に帰る。

 目新しさも何もない平凡な一日。

 そんな色褪せた日々をただただ退屈に過ごしていた高校一年生。

 

 流石に何か熱を入れれるもの探そうと思ったがそんなすぐに見つかるはずもなく今日の今日まで過ごしてきた。


 風に揺られる腰ほどまで伸びた草。

 カアカアと鳴くカラスの群れ。

 目の前には何も――。


 「って、やば――。


 脳裏に浮かんだこれからの俺の姿。

 ふわりと空中で一回転する自転車。

 自分の身体にかかった力で自転車から投げ出され、新体操なんかやったこともない俺は空中での身体の制御なんかできるはずもなく、そのまま頭を地面に打ち付けて視界が真っ黒になった。



 ♦     ♦     ♦    ♦



 俺は死んだのだろうか。

 

 打ち所が悪く・・・いや、良かったというべきか。後頭部を打ち付け、その時にともに脊髄も折れたのだろう。

 痛みもなく一瞬で死ぬことが出来た。


 それはともかくここは何処なのだろうか。

 辺り見渡してもどこまでも続く宇宙空間のような世界。

 自分の身体を確認すると、人魂のような姿になっていた。


 しばらくすると、天の川のように流れに乗ってどこかへとむかっていく人魂の川にさらわれ、何も抵抗できずに流れに従っていた。


 俺はこのまま消えていくのだろうか・・・

 

 そんなことを考えていると、不意に上から光が差し込んできた。

 何故か知らないが、呼ばれている気がして無い腕をその光に向かって伸ばす。


 光が呼応しより一層強く光輝き、俺の意識ごと光へと吸い込まれていった。



 


 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る