第41話 別に痛くなくても「いて」っていっちゃうのはどうしてなのか?③

「そういえば、この隠れ里ってなんで消滅しないんだ?」

「あぁ、それはこのダンジョンのボスが『不死』の特性を持ったモンスターだからだよ」

「……なるほど」


 このダンジョンのボスはフェニックスだ。

 各地の神話や伝承でフェニックスというのは登場する。

 Cランク以上のダンジョンではそういうモンスターも稀に登場するのだそうだ。


 ダンジョンに出てくる有名なモンスターは神話や伝承の属性を引き継ぐことが多い。

 神話で弱点とされていたものは大体弱点だ。

 どんなに強いモンスターでも神話内で倒されていたら、その倒し方と同じ倒し方をすれば格下の探索者でもはめ殺したりできるらしい。

 メデューサとかがいい例だろう。

 メデューサはペルセウスが鏡の盾を使って倒している。

 そのため、鏡の盾を使い、相手を見ないようにして戦えば比較的簡単に倒せるのだそうだ。


 ただし、そういうモンスターの属性が神話の影響を受けるのは弱点だけではない。

 利点も同じで、神話では『絶対負けなかった』とかの属性を持っていたら格上の探索者でも倒すことは難しいのだそうだ。

 このダンジョンのダンジョンボスであるフェニックスもそうだ。

 ボスモンスターとして出てこられるとその厄介度は跳ね上がる。

 基本的にボスモンスターを倒すことでしかダンジョンを消滅させられないのだから、そのボスモンスターが絶対に死なないということはダンジョンが踏破できないというのと同義になる。


 そういう厄介なモンスターが出てきた場合、多くの組織で協力して物量で対処したりする。

 そのモンスターがボスモンスターならボスの弱体化のためにダンジョン内のモンスターを片っ端から狩りまくったりするのだとか。


 無敵や不死の属性を得るためには復活の際、ダンジョンのリソースを大量に消費する。

 維持するだけでもリソースを消費する場合だってある。

 リソースが枯渇してしまえば、どんなに強い特性を持ったモンスターでも弱体化する。

 ダンジョンのリソースを言っていいかにすると『無敵』や『不死』の属性が消滅したりするそうだ。

 モンスターの中には自力でリソースを確保して強い属性を維持するモンスターもいるにはいる。

 ダンジョンから独立したモンスターというやつだ。

 しかし、そんな強いモンスターはAランクやSランクのダンジョンにいるモンスターだ。

 さすがにCランクではそこまで強いモンスターはいない。


 逆にいうとSランクのダンジョンに行けば当たり前のようにダンジョンから独立したモンスターがいるらしいんだが。

 そういうモンスターはダンジョンの外に出てくる場合もあるらしく本当に厄介なのだそうだ。


(フェニックスといえば『不死』だもんな)


 このダンジョンのボスであるフェニックスも倒しても一定期間を置くと復活する『不死』という属性を持っていた。

 死んでも灰の中から復活するというやつだ。

 そのため、簡単には攻略できない厄介なダンジョンとなるはずだった。


 だが、ここのダンジョンはボスモンスターが倒されてから復活するまでの休眠期に成長しないということがわかっていた。

 それどころか、休眠期の間、何もしなければダンジョンは若干弱体化するそうだ。

 おそらくだが、フェニックスの不死属性のために相当多くのリソースが必要なのだろう。

 Cランクレベルのモンスターに『不死』の属性は過ぎた力だからな。

 そのぶんダンジョンの負担も大きいみたいだ。


 それに、ここは富士の樹海で、人があまり近くに住んでいない。


 近くに観光地となる富士山があるにはあるが、富士山と樹幹のダンジョンでは距離が離れすぎている。

 富士山周辺にはポコポコとダンジョンが生まれるそうなので、そちらにリソースが食われて樹海のダンジョンにまでほとんどリソースが届かない。

 外部からダンジョンのリソースの元となる人間の感情を徴収するのだって簡単じゃない。

 そう言った色々な理由が重なり、そこまで厄介なダンジョンではなくなっていた。

 管理しやすいダンジョンの言った方がいいか。

 だから、このダンジョンは内部に村が作られ、探索者の訓練施設として使われることになったのだそうだ。

 足りないリソースは探索者から徴収することで弱体化しないように調整している。


「あれ?」


 そんな話をしながらフィールドの外に向かって歩いていると、急にあかりが立ち止まった。


「ん? どうかしたか?」

「誰かいる」

「え?」


 あかりの指さす方向を見ると、そこには一つの人影があった。










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お読みいただき、ありがとうございます。


遅くなってしまい申し訳ありません。

風邪をひいておりました。


次話は来週月曜日の7時ごろに投稿します。


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